揺籠ふぃるすさんの映画レビュー・感想・評価

揺籠ふぃるす

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ノスフェラトゥ(2024年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

幼少の頃よりウン十年と頭ん中で熟成させた監督の力作。そこいらの雇われ監督にゃあできねえ芸当だ。

過去作の見事な縫合と民間伝承、散りばめられた怪しげなオカルト、そして月夜の妖しさ美しさ。

動かないユ
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シャドウ・オブ・ヴァンパイア(2000年製作の映画)

3.8

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ホラー映画史に燦然と輝く金字塔『ノスフェラトゥ』(1922)
それもそのはず、フリードリッヒ・ヴィルヘルム・ムルナウ監督がオルロック伯爵役に抜擢したマックス・シュレックなる俳優は本物のヴァンパイアだっ
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バンパイア・イン・ベニス(1988年製作の映画)

3.4

英国人カタラーノ教授は、その生涯を吸血鬼研究に捧げ、そのなかでも1786年のペストが蔓延したイタリア、ヴェネツィアの騒乱から杳として知れぬノスフェラトゥの行く方を追っていた。不死者の望む真の終止符を打>>続きを読む

ノスフェラトゥ(1978年製作の映画)

3.8

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実際コレラで亡くなった方のミイラを映すオープニング・フックに初見の時は深夜だったけど眠気飛んだ。音楽がまた不穏で良い。

22年のオリジナルよりか表現を誇張出来る所は最大限にやってやるという気迫を受け
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吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)

4.4

石田一さんの廉価盤DVDモノクロ版は古色を帯びた雰囲気がいかにもサイレントって趣きで、『ドラキュラ』盗用のキナ臭さもプラスに働く不気味さ。

原作者ブラム・ストーカーの夫人の怒りの訴えにより、ネガ焚刑
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シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(2014年製作の映画)

3.9

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さまざまな理由から流れ着いた不死者たちの楽園ニュージーランドは首都のウェリントン。

ドキュメンタリー取材班は、宵闇のヴェールに包まれた彼ら吸血鬼の生態を赤裸々に、カメラへとおさめることに成功したッ!
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キアヌ(2016年製作の映画)

3.7

お笑いコンビ key&peele のコメディ。
1本の映画というよりも100分のコント。

ロサンゼルスにて、おはようとさよならが銃声と弾丸で交わされる危険な修羅場から逃げ出した子猫は、彼女にフラれ傷
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ウェンデルとワイルド(2022年製作の映画)

3.7

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』『コララインとボタンの魔女』のヘンリー・セリックが監督・脚本、ジョーダン・ピールがプロデューサー・脚本・声優もつとめた長編ストップモーション・アニメ。
恥ずかしな
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.1

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カリフォルニア州のアグアドゥルセ渓谷で、撮影用の馬を育て調教し、現場で演技指導も行うヘイウッド・ハリウッド牧場を営むOJことオーティス・ヘイウッド・Jr は、半年前に上空から落下してきた5セント硬貨の>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

4.2

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“…多くの者は、それらが存在する意味を知らない…”

声なき声も叶わぬ声に、耳を澄まし傾けよ。じゃないとヤバい事態になるよ。そん時、神さまは助けちゃくれないよ。

1986年、両親と共に訪れたサンタク
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ステップフォード・ワイフ(1975年製作の映画)

3.9

『ゲット・アウト』元ネタという事で軽い気持ちで観たけど、成る程納得な社会派ホラー寓話。70's らしい古き良きムード。刺激を求める人にはちょい物足りないかもしれない。

原作はアイラ・レヴィンの『ステ
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

“差別主義者じゃない”
良いこと言ってるはずなんだけど…。
どんでん返しでは無いけど、割と初見殺しで楽しい。久しぶりに観たから細かなディテールを拾いながら観れた。この伏線と回収も楽しい。

サンプリン
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ブラッケンシュタイン(1973年製作の映画)

3.5

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ブラックスプロイテーション・ミーツ・フランケンシュタインズ・モンスター!

美しい黒人女医のアニフレッドは、ノーベル賞も受賞している遺伝子研究の権威で白人のステイン博士の研究所も兼ねた豪邸をおとずれ助
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ブラック博士とハイド氏(1976年製作の映画)

3.9

ブラックスプロイテーション・ミーツ・Dr . ジキル&Mr.ハイド!

ロサンゼルスで肝臓変の新薬開発のため日夜研究に明け暮れる傍ら、無料診療所で貧しい人々に医療を提供するヘンリー・プライド博士は、実
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アビィ(1974年製作の映画)

3.8

ブラックスプロイテーション・ミーツ・エクソシスト!

公開後ヒットしたが、本家ワーナーから盗作だっ! と著作権侵害で提訴され敗訴。
公開は差し止められ、1975年に制作されたコピーはすべて押収されたと
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シティ・オブ・ザ・デッド(2006年製作の映画)

3.7

LAのうらぶれた工場、その主ミッチの元へ、黒人ギャング「ロード・オブ・クレンショー」の面々がドラッグ取引の為やってくると、しばししてラティーノのギャング「エル・ディアブロ」の面々もうっかりミスで取引に>>続きを読む

コンジアム(2018年製作の映画)

4.2

神秘を解き明かそうという崇高なロマンなんて持ち合わせていないビジネスオカルトの若い男女7人組(1人例外の女子いる)が、いわくアリアリの精神病院廃墟で一獲千金の生配信POVコリアン・ホラー。

個人的に
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ホットシティ(1996年製作の映画)

4.0

監督ラリー・コーエン『ブラック・シーザー』

フレッド・ウィリアムソン『ブラック・シーザー』

ジム・ブラウン『シンジケート・キラー』『マシンガン用心棒』

パム・グリア『コフィー』『フォクシー・ブラ
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ハーレム街の首領(ドン)(1973年製作の映画)

3.8

『ブラック・シーザー』まさかの続編。字幕なしのオリジナル鑑賞なので自信なし。

いやあの展開から無理にも程があるだろうと思ったけども、前作の寂寞感あふれるラストシーンは、なんと全米公開時はカットされた
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ブラック・シーザー(1973年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

撃鉄はじく弾の声、諸行無常の響きあり。
白襯衣[ワイシャツ]染みる花の色、盛者必衰の理をあらはす。
驕れる人も久しからず、ただキネマの夢のごとし。
猛き者もつひにはほろびぬ、ひとへにハーレムの塵に同じ
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犯罪王リコ(1930年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

『民衆の敵』に続いて鑑賞。今作とさらに『暗黒街の顔役』がクラシック・ギャング映画の三傑と誉れ高いそうです。(前レビューを訂正いたしました)

原作はウィリアム・R・バーネットの著した小説『Little
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民衆の敵(1931年製作の映画)

3.9

『犯罪王リコ』『暗黒街の顔役』と共に、クラシック・ギャング映画の三傑と称されるこちらをまず観てみました。

禁酒法時代(1920〜1933)のアル・カポネのギャング抗争を目にした元新聞記者ジョン・ブラ
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ビーキーパー(2024年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

傍から見たら、
“群れを守らねば”
と支離滅裂な事をのたまい、ゆく先々で死体の山を積み上げていく最強のローン・ウルフ・テロリスト。
でもステイサムおじさんは正義の味方だと、はじめから僕たちだけが知
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リンカーン/秘密の書(2012年製作の映画)

3.9

ドラキュラ作者のブラム・ストーカーさんと作中のヴァンパイアハンター、ヴァン・ヘルシング教授、そして、リンカーン大統領。
この御三方の背中に向かって、
「エイブラハムさん、ちょっといースか?」
と声をか
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アンテベラム(2020年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

「過去は決して死なない。過ぎ去りさえしないのだ」
ウィリアム・フォークナー

アンテベラムとは南北戦争前という意味だそう。完全ネタバレ厳禁で、個人的には奴隷制を描いた現代女性が主人公のホラーくらいの認
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ドラム(1976年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

『マンディンゴ』続編。

オリジナル鑑賞につき細部までは掴めずとも、今作はファルコンハースト・プランテーションに於ける奴隷たちの蜂起を描いており、別の登場人物が前作のラストを引き継いだような感じを受け
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マンディンゴ(1975年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

題名のマンディンゴは、正式にはマンディンカ族という西アフリカの部族名で、劇中では頑健であり高値で取引されている。

1840年代のアメリカはルイジアナ州でファルコンハースト・プランテーションを営むウォ
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バンパイアハンターD(2000年製作の映画)

5.0

百年の時を越えて紡がれるゴシック・ヴァンパイア・ブラッドラインにジャパニメーションでその名を刻むゴシックホラーに剣戟アクション、ディストピアSF、西部劇といった様式美の四重奏にロマンスの切ない歌が響く>>続きを読む

吸血鬼ハンターD(1985年製作の映画)

3.6

『ヴァンパイアハンターD』リバイバル公開行く前に久々に観たけど、やっぱり物足り無い感じが残ってしまう。

80'sアニメだからとかじゃなくて、何となく制作サイドはゴシック・ホラーというよりSF畑の人な
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110番街交差点(1972年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

『ジャッキー・ブラウン』のOP、ラスト〜エンド・クレジットに流れたボビー・ウーマック氏「110番街交差点」の ♪Ooh〜,Ooh-Ooh〜♪のメロディに誘われるままに鑑賞。
もうタランティーノにお墨付
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ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

4.2

アンクルサムのカンゴールファッションしか思い出せなくて初見みたいに新鮮だった。面子の豪華さに改めて驚きました。

元は一流航空会社勤めていたが、今はメキシコの三流航空会社でCAとして働くジャッキー・ブ
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フォクシー・ブラウン(1974年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

フォクシー・ブラウンのボーイフレンドであるダルトンは、麻薬密売組織への長い潜入捜査を経て、整形手術で顔を、そして名をマイケルと変え、2人で新しい生活を始めようとしていた。
だがそんな矢先、密売に手を染
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コフィー(1973年製作の映画)

4.2

街には麻薬が蔓延し、11歳の幼い妹ルベールは中毒にさせられ、リハビリ療養施設のベッドに臥せっていた。
姉で救急医療の看護師であるコフィーはジャンキーの売春婦になりすまし、クスリをバラ撒くプッシャーに散
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スーパーフライ(2018年製作の映画)

3.9

オリジナルである『スーパーフライ』(1972)へのリスペクトと超えてやろうという野心も感じる純正リメイク。舞台はNYからアトランタヘ。

11歳からストリートに出て、コカインの密売により今では高台に建
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スーパーフライ(1990年製作の映画)

3.5

裏稼業から足を洗い、ヨーロッパに渡り、前作 『 〜 T.N.T 』(1973)のローマから、のちにフランスで実業家となったヤングブラッド・プリーストが旧友エディの死の真相を暴くため、18年ぶりに古巣N>>続きを読む

スーパーフライ(1972年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

NYはハーレムで、50人の子飼いの売人を従えコカイン密売を渡世の生業に “プッシャーマン” ことヤングブラッド・プリーストは、今回のデカいディールを最後に恋人のジョージアと共に、先の見えないこの “蟻>>続きを読む