双子のパラドックス(ウラシマ効果)を土台に、時空の歪みによる神秘体験を描こうとした本作。
ただ、同じ世界線上に2人の同一人物が出ていたり(特殊相対性理論ではありえない)、ストーリー上の脱線が多かったりと全体的にはあまり締まりのない印象を受ける。
けれど、ファンタスティック・プラネットを作ったルネ・ラルーらしく、異世界の作り込みは本当にすごい。細胞を思わせる奇怪な森、顔の無いガンマ10惑星の住人、時間軸を感じさせない(時の支配者だけに)テクノクラシック音楽……。
いまいち主題が分からなかったけど、心地の良い不思議さに包まれるようで、とても良かった作品です。