モナ郎

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップのモナ郎のレビュー・感想・評価

3.9
バンクシーのことはあまり知らないのだけど、ちらちらと出てくるバンクシーの絵は純粋に良いなと思ったし、ストリートアートというカルチャーに興味を持てた。

ここからはこの映画の持つメッセージの話で、アートというものが内包するある種のバカバカしさを浮き彫りにしていて、問題提起として考えさせられたし、見ていて面白かった。

ただ、映像というものには演出がつきもので、演出次第で誰でも善人にも悪者にも仕立て上げることができる。バンクシーもそんなこと百も承知なんだろうけど、この映画を鵜呑みにしてティエリーをバカにするのは、人の評判や値段だけで作品の価値を決めている人たちとあまり変わらないのではと思う。それにティエリーの作品の良し悪しはわからないけど、ティエリーのことはそんなに嫌いじゃないんだよなあ。あと、こんな映画撮ったのにバンクシーはティエリーのこと途中までおだてすぎじゃない?とも思った(過去の恩だと思うし、それに対する責任と落とし前という意味でこの映画を作ったのかもしれない)

まあ要するに人の評判どうこうより、もっと自分の感性を信じなさいって映画なのかな。
モナ郎

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