みおこし

夢のチョコレート工場のみおこしのレビュー・感想・評価

夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)
3.5
ロアルド・ダール原作の『チョコレート工場の秘密』の最初の映画化。本作でジーン・ワイルダーが歌う"Pure Imagination"という曲、前にどこかで聴いたことがあったんですが、まさかこの映画の曲だったとは知らずびっくり!

ウィリー・ウォンカが経営するチョコレート工場は世界的に大人気。ある日、自社のチョコレートの中に黄金のチケットを封入し、それを引き当てた子供を工場見学に招待すると発表。貧乏な暮らしをしている心優しいチャーリーはそのチケットを引き当てるのだが...。

いやー、なんだか怖い!!(笑)ティム・バートン版も相当エッジが効いていましたが、それを遥かに超えるエッジ!!カラフルな世界観は一見とても可愛らしいんですが、よく見るとデザインとか形がめちゃめちゃサイケデリックだし、繰り返される旋律(ちなみに全編通してミュージカル仕立てです)が耳に残って頭から離れなくなるし...。まるで催眠術にかけられるかのような不思議な世界観に病みつきになりそうです。
総じて明るい映画ではあるのですが、そもそも原作自体、子供向けとはいえ描かれているテーマが非常に秀逸なので、それを映像化するとよりこのちょっぴり不気味な雰囲気が際立つんだなと。何もないはずなのに、ウォンカ役のジーン・ワイルダーの笑顔が途中から怖く見えてしまいました(笑)。

改めて、正直かつ謙虚でいることの大切さ、というのは万国共通どの時代にも訴求できる普遍的なテーマだなと痛感...!ポップな世界観の中に、子供にも大人にも刺さるテーマが含まれた秀作でした。
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