フレッド・アステアが引退を一度決意するきっかけとなり、興行的にも大コケしてしまったという曰く付きのミュージカル。
ある架空の南米の平和な国。資産家の娘であるヨランダは、修道院を卒業する18歳の誕生日に巨額の財産を相続する。しかし純朴な彼女にそんな大金を使う術は分からず持て余していたが、アメリカから逃亡してきた詐欺師の2人組、ジョニーと相棒のビクターがそこに目をつけてとある作戦を思いつくのだった...。
噂には聞いていましたが、アステア作品の中でも歴代トップクラスにイマイチな作品でびっくり...。監督はあのヴィンセント・ミネリということで、どうしてこうなってしまったかは誰にも分かりません。
主役のルシル・ブレマーもダンスは上手だし、すごくチャーミングで可愛らしいのに!
いくつかとってもユニークで斬新な演出も垣間見えたのですが、音楽がどこかノレないというか、ドンドコ鳴る太鼓の音など不気味な印象があって(笑)そこが一番の問題点なのかもしれません...。
また、監督自身もやりすぎたという、ファンタジックな展開も観客の斜め上を行っていてあまりついていけず、ダンスシーンもかなり少なめなので拍子抜けしてしまったお客さんも多かったのではしょうか。
とはいえ、カラフルな衣装やセットに心洗われ、ミュージカル黄金期の華やかさが楽しめる一本でした!