じろちぃ

ガン・ホーのじろちぃのレビュー・感想・評価

ガン・ホー(1986年製作の映画)
2.8
当時これをアメリカでアメリカ人と観てしまったため、日本をすごくバカにされイヤな気持ちになったことを思い出した。
おそるおそるの鑑賞。
果たしてあの頃の自分とは違う感想が出てくるのだろうか。

まずは80年代半ばのトーキョー。使われている曲も胸がキュンキュンする懐かしさだったので、3回ほどリピートしました。キュンキュン。

で、やはり問題の「蔑み」は今でも同じようにムッとするもので。
飛行機の機体に雑に書いてあった会社の名前、ひどくない?圧力の「圧」に惨めの「惨」でアッサンだよ?アッサン自動車会社だよ?なんだそれ。
サンなんてたくさんあるだろうにわざわざその字をチョイスしたってことね。ふーん。
まあ、海藻食べて吐き出すシーンなど、80年代、まだまだアメリカ人は海藻も生魚も「ゲテモノ」という感覚だったのでこれは仕方ないでしょう。お箸も90年代ごろにはオシャレアイテムになったけど、当時は野蛮なアジア人が棒を2本使って食べてる笑…ぐらいの感覚だったはず。

ただ、今見てみると、アメリカ人のいい加減さ(当時は日本人より余裕があって大らかという描き方だと感じていた)もかなり笑いとして盛り込んでいることに気づく。
それでも五分五分じゃないけどね。

そしてちょっとこれは考えすぎなのかもしれないが
クロコダイルダンディ2(対日本人)や地獄の7人(対ベトナム人)で感じた「悔しいから映画の中だけでは優位に立ってやろう」的な、憂さ晴らし感があるように思えて仕方がない。
当時の日本は羽振りが良かったけれどそれ故にとても嫌われていた。
今で言う、京都や北海道を中国人がワサワサ歩いていて不動産をどんどん買い漁っているというアレですよ。アレが日本だった。だから日本人の仕草の細かいことを嘲笑することは、当時リアルでは悔しい思いをしていたアメリカ人にとっていいガス抜きになったんじゃないかな。
この映画の中で、日本人を嘲笑い上から目線で「やっとこの国の考え方がわかってきたらしい」とか言っちゃう。アメリカ人的には痛快だよね。
まあ両国を五分五分に扱おうという気持ちはわかる。わかるけど透けて見えちゃうんだよ。日本に対する上から目線が。
おっと…卑屈になってますかね。

で、ラストですが
ワタクシが社長だったらですね…
クルマは人の命を預かるもの。
欠陥は許されない。
自分達の雇用を守るためだけに、欠陥自動車バンバン作って数合わせするような人間はこの会社にはいらん。
全員解雇!以上!アメリカ工場閉鎖!
です。
あったりまえじゃい!!
じろちぃ

じろちぃ