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甘い抱擁の4のレビュー・感想・評価

甘い抱擁(1968年製作の映画)
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これからの人生を通して何度も向かい合わなければならない一本。
冒頭からフレーム内フレームを意識させるような横枠に黒い縁を残した横滑りするワイプから始まり、テレビ画面を中心としたフレーム内フレームが繰り返される。そして、映画におけるフレーム内フレームとは前提にあるスクリーンというフレームを意識せずにはいられない存在であり、そのフレームの中に含まれた一つの亜種に過ぎないことを実証する。だからこそ、フレーム内フレームで起こる彼女の運命は、そのままスクリーンというフレーム内で起こることに繋がってしまうのである。
映画のはじめではくるくると回りながらフレームから飛び出していたジョージの身体は、時間が進むにつれてフレーム内から出られなくなり、最後にはフレーム内で小さく牛のように鳴くことしかできない存在へと変貌してしまう。囚われたフレームから出られたのはアリスだけだった。
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