ブタブタ

ロッキー5/最後のドラマのブタブタのレビュー・感想・評価

ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)
4.0
「闘う君の唄を闘わない奴等が笑うだろう」
(中島みゆき『ファイト!』より)
以前に大喜利バラエティショーでおぎやはぎの片方が「ロッキー5は見なくていい」と言って笑いをとっていた。
闘う君の唄を闘わない奴等が笑っている。
貴様らごときに何がわかるのだ。

正直自分はボクシングに殆ど興味がない(←え?)
スポーツとしてのボクシングには全然興味なくても映画『ロッキー』のファンて人は世界中にいると思いますが。
自分のフィクションとしてのボクシングの原初体験は少年ジャンプ連載、車田正美の『リングにかけろ』だった。
「ギャラクティカマグナム!」どォォォォォおおおおおおおォォォォォン(宇宙)
「ブーメランテリオス!」どォォォォォおおおおおおおォォォォォ(異次元)
など、パンチ1発で相手は武道館の屋根を突き破り皇居のお堀迄吹っ飛んでいくボクシング漫画。
何故か途中からはレフリーすらいなくなった。
現実のスポーツとしてのボクシングと、そのボクシングをフィクションとして漫画や映画にする意味、フィクションラインという物が正直よく分からない。
で、ロッキー5ですけど8割がたはちゃんとした「ボクシング映画」なのに最後に異次元に突入する。
道端で殴り合うロッキーとトミー。
単なる喧嘩。
「最後のドラマ」って副題を信じればこれがシリーズの締めくくでありロッキー最後の戦い。
それが道端でケンカって…
意味が分からない。
しかしこのボンクラな展開こそ今迄真面目にボクシング(映画)をやって来たのに最後にちゃぶ台引っくり返すみたいな映画ならではのカタルシスだと思う。
トミーはプロボクサーであり、その後は不遇の人生で若くして亡くなってしまった。
そして親子役で共演の実子セイジも。
映画の中で弟子あるトミーと現実世界でも息子のロッキーJrのその後の人生が分かってるだけにいたたまれない。
実際のボクサーがボクシング映画に出たりするとその後ろくな事にならないのは『のぞみウィッチィズ』の福田健吾と同じく何か呪いでも掛かるんだろうか。
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