雨丘もびり

エイリアン2 完全版の雨丘もびりのレビュー・感想・評価

エイリアン2 完全版(1986年製作の映画)
4.0
冒頭、リプリーのどん底感にもらい泣き。娘をずっと独りにしたまま約束を果たせなかった母親の罪悪感がキツい。
おかげで、終劇まで続く無茶な行動にもぜんぜん乗れた。
   
それとは正反対の、軍人たちのべったべたなナラズモノっぷりも好きw。
アホばっかwだけど、それぞれキャラ立ってて覚えやすい不思議。いちいち「イェーア!」ってハイタッチするノリは嫌いじゃないw。
巧くはないけど教科書になりそうな、登場人物たちの描き分け方法。大好きなドラマ「フレンズ」のみんなを思い出して、ジーンとした。

.....なんか、この監督は "人間が好きな人" なのかなーって思った☺️。
ボンクラもクズ男も活き活きしてる。登場人物たちへの愛を感じる。

困ったときに「助けて!」と叫べる子供の尊さ。
子供が良い夢を見られるよう、安心して眠れるために頑張る大人たちの頼もしさ。
そうだよね、そうあって欲しいよね。
監督は、人間の...というか生物の、根っこにあるポジティブな本能を信じてる気がした。

クライマックスの、子を奪われた母同士の死闘も、心の底から「親子愛」を信じてるから実現できたのだと思う。
だって、エレベータ乗ってまで追っかけて来ないでしょフツウw。
どうかしている真っ直ぐさが、なんだか愛おしく思えた。

ここまで臆面もなく、スゴーンと真正面から「母ちゃんなら子供ォ、大事に決まってんだろォ!」って言い切られると、ウルッてくるw。
なんでしょう。おかしいな。
「あたしお母さんだから」みたいな押し付けがましい歌&キモい絵本は火炎放射器で燃やし切りますけど、この映画は何かが芯から違う。
人気取りや評判を目的としてない、バカ正直に人を信じてるエネルギーを感じるの。
うーん、オーバーかもしれないけど、なんか、ムネアツですわ(T_T)。

あと、軍の車とか飛行機、好きなんだろーね。
やたら長く映すからちょっと失笑(^^;)。

描きたいものとそうでないものの差をそのまま放り出してあるから、説明不足なところも多々見受けられたけど、監督の視点や好物がとても良く分かって面白かった!
「エイリアン」シリーズ、これで多分コンプリート。
監督ごとにそれぞれ違う味わいがあって、見応えありました。
思いのほかハマッて観てしまった。あはは♪