千年女優

くたばれ!ユナイテッド -サッカー万歳!-の千年女優のレビュー・感想・評価

3.5
1974年、W杯予選敗退を喫したイングランド代表の監督にドン・レヴィーが選出され、彼の後釜として前期優勝の強豪リーズ・ユナイテッドの監督に就任した若手のブライアン・クラフ。1965年、当時二部下位だったダービー・カウンティを率いて相棒ピーターと快進撃を果たしリーズを口汚く罵っていた彼の栄光と挫折を描いた伝記映画です。

共に二部所属のダービーとノッティンガム・フォレストにクラブ史に残る栄光をもたらした名監督でビッグマウスでも知られ後にモウリーニョが彼の再来と呼ばれた実在の人物を映画化した作品で、サッカー映画の傑作との本作の評を受けて監督のトム・フーパーは後に『英国王のスピーチ』や『レ・ミゼラブル』を手掛けることとなりました。

サッカーが題材でも専門的言及は少なく、その点はファンにはやや物足りないですが、その分じっくりと現代と過去をシンクロさせて人物を掘り下げます。上昇志向やステージの違いによる浮き沈み、相棒との絆や暴力的だったイングランドサッカー界にあってクリーンに拘る様で共感させる、おしごと映画として普遍的な魅力のある一作です。
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