ゴールドチェーンの着け過ぎで死んだ(!?)兄の仇を取る為に軍人の弟が仲間を集めて立ち上がる「最終絶叫計画」シリーズで知られるウェイアンズ一家の長男キーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ監督脚本主演のアクションコメディ。

キーネン演じる主人公は軍人といえど気弱で銃声が聴こえるとオネエ走りで騒いだり毎回ピンチになるとママに敵をやっつけてもらうような男。そんな彼が一念発起してかつてヒーローだったおっさん達と手を組むわけですが、ブルース・リーを師と仰ぐカンフー男にピンプと皆濃く、時に「黒いジャガー」のテーマが流れたと思ったらキャラの後ろにわざわざバンドがついてくる演出に彼らのキャラとキャストは70年代のブラックスプロイテーションへのリスペクトを感じます。

時にアドリブかましすぎの女性シンガーがうるさいクラブで実はハゲで胸も尻もフェイクの（後の北米における豊胸＆豊尻ブームを予見且つ茶化してるようで凄い）セクシーな女に誘惑されたりヒロインが悪役に襲われると急に悪魔に憑りつかれ悪役がキャーキャー悲鳴をあげたりする中遂に一行は敵のアジトへ・・という流れですが、いざ出陣のタイミングで転んで銃が暴発して退場、爆風に巻き込まれ退場と主人公意外もドジばっかで楽しい。

最期をはっきり見せなかったり、主人公一行に加わってない仲間が居ることで最後のピンチをどう解決するのか簡単に予測つきますが、真横にドアがあるのにカッコつけてわざわざガラス突き破ってケガしたりちょっと指から血が出ただけで「ランボー」みたいな雄叫びを上げながらの応急処置と笑い所は至る所に。

ブラックカルチャーに対する理解度と知識を試されてるような内容なうえに英語字幕のみのブルーレイで鑑賞したので台詞等に細かく散りばめられたユーモア等を完全に拾えてない可能性大ながらパロディ多数の作風から「ポップガン」の80年代版と言えるかなりの充実作かも。

元ヒーローのおっさん達を演じるのは歌手で知られ「ニューヨーク1997」の悪役や「サウスパーク」のシェフ役でも有名なアイザック・ヘイズ、「刑事スタスキー&ハッチ」のアントニオ・ファーガス、元アメフト選手のバーニー・ケイシーとジム・ブラウンら。他にもキーネンの弟デイモン・ウェイアンズが小悪党を、食堂で「コップ代も買う金ないからこの手にソーダを注いでくれ」と注文するドケチ男をブレイク前のクリス・ロックが演じてたり、白人ならジョン・ヴァーノンやクルー・ギャラガーの姿も観れます。

主題歌はスティービー・ワンダーフォロワーのチャーリー・ウィルソン率いるギャップバンドが歌っており、エンディング曲と「サントラ」はKRS・ワンが担当。他にもカーティス・メイフィールドが「黒いレッチリ」のフィッシュボーンをバックに 「He's a Fly Guy」なんて曲を披露してます。劇中には番組「ソウルトレイン」でダンスしながら聴衆を殴り倒すシーンなんかも。

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