Jeffrey

クレイジー・キラー/悪魔の焼却炉のJeffreyのレビュー・感想・評価

3.0
「クレイジー・キラー 悪魔の焼却炉」 

冒頭、列車が走る、車内の中で誰かの気配を感じる。忍び寄る手、妄想症の男、美少年、花嫁姿の女性、連続殺人鬼、亡霊。今、美女を肉切り包丁で叩き殺し、焼却炉に運ぶ猟奇スリラーが写し出される…本作は1969年に、マリオ・バーヴァが監督したホラー映画で、花嫁姿の女性を殺害する連続殺人鬼の男を描き、焼却炉で死体を焼くのを映した作品で、確かVHSのパッケージのデザインが個人的にすごく好きな映画であった。未だに見たことがなかったのだが。連続殺人鬼の異常心理を描くカルト作品を、この度BDBOXが発売され初鑑賞したが面白い。いわゆるゴシックとジャッロを一体化させた本作は、冒頭で異常者があっさりと自分が殺人鬼になる恐れがあることを認めてしまう事柄が面白い。それに、幽霊物語であり、主人公は見えないにもかかわらず周囲の人々には見えてしまうと言うのも笑える。と言うよりかは監督にとっては定番のストーリーだ。原案と脚本は「カットスロート・ナイン」「真夜中の恐怖」などのサンチャゴ・モンカダだ。

さて、物語は花嫁姿の女性を殺害する連続殺人鬼がこの地球上に現れる。彼は自分を殺人に駆り立てる過去の記憶を探りながら、殺人を三度繰り返し楽しむ。ある日、彼は激情に駆られて妻を殺めてしまう。死体を焼却炉で灰にし、何一つ証拠を残さなかったのだが、まさかの妻の亡霊が付きまとい、彼を悩ます…と簡単に説明するとこんな感じで、穏やかなオープニング曲から始まり、前半と後半で話が真っ二つに別れている演出がなされている。主人公がハエを追いかける場面はヒッチコックの「サイコ」彷仏させる。いゃ〜、やはりバーヴァの愛憎に翻弄される男女の姿を描くのが非常にうまいと思う。
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