鰹よろし

ディープ・ショックの鰹よろしのレビュー・感想・評価

ディープ・ショック(2002年製作の映画)
1.5
 原因は明言していないものの地球全体で温暖化はしており、それが人類の存続と繁栄にとって都合の悪いこと(脅威)であるという大前提がありつつ、それとは別に北極の局地的な温暖化が急速に進んでいることで、人類滅亡の危機が想定していたより早まっているという...

 その原因が未知の知的生命体によるものなのか、地殻変動によるものなのか、という見解の相違(対立)が起点となり物語が展開されていくはずなのだが...

 原因を人類と同等かそれ以上の知的生命体とし、対策を検討するに当たりまず彼らの発する信号の調査(解明)が必要だ、とする因果関係を明示している主張に対し、

 原因を開示せず、「核攻撃が必要だ!」「核で解決だ!!」「核爆発最高♡」として対策のみを前面に押し出す、主人公側の主張に対して比較しようのない主張を当てている事で、

 対立をイーブンな状態からスタートさせる気など毛頭無い姿勢と、どちらが善でどちらが悪でとする作品の言い分が端から表出し、端から結論ありきの展開になってしまっているので、お話として全く面白味が無い。

 後々海溝の開口が原因であり、それを塞ぐために核攻撃により人工地震を誘発させる必要があるとする主張が徐々に明らかになってくるのだが、その時にはもう...

 北極海において繰り広げられる攻防において、先制攻撃を仕掛け優位性を顕示したいとする姿勢を描き出す事で、その攻撃対象が人類の座を脅かし得る存在であることを明示すると共に、飽くまでも人類を起点とした惨事であることを強調し、まるで地球の王座に君臨しているかの如き人間様の傲慢さをまた描き出すことにより、

 地球が人類にとって住み良い環境であるが故に、人類のために用意されたかのように錯覚を覚えている、人類こそが地球において頂点である、とする思想に一石投じたいとする言い分には理解を示したい。


「ファンタスティック・プラネット」(1973)...「アビス」(1989)...「アライバル 侵略者」(1996)...「ディープ・ブルー」(1999)...「シャーク・ハンター」(2001)...「ディープ・コア2002」(2002)...「ディープ・フリーズ」(2002)...「バイオハザード」(2002)...「サイレント・ワールド」(2004)...「地球が凍りつく日」(2006)...「マン・オブ・スティール」(2013)...「X-コンタクト」(2015)...「メッセージ」(2016)...「MEG ザ・モンスター」(2018)...
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