MikiMickle

コントラクト・キラーのMikiMickleのレビュー・感想・評価

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)
4.5
舞台はイギリス。水道局に勤めるアンリは、人員整理のため、突然解雇される。
友達もいない。絶望の彼は自殺を試みるが失敗。
新聞でコントラクトキラーという必殺殺 人請負人組織を知り、アジトのbar Honoluluに行って依頼を頼む。自分を殺して欲しいと……

まじめで堅物なアンリだが、殺されるのを待ってる間にバーで初めてウィスキーとタバコを大量に楽しんだ夜、花売りのマーガレットと出会い、恋に落ちる………

大変だ、死んでる場合じゃない‼

キャンセルしに行ったら、アジトは瓦礫の山‼
アンリとマーガレットは、暗殺者に狙われるはめに‼


主演はジャン・ピエール・レオ。フランソワ・トリュフォーの『大人はわかってくれない』で主役の少年を演じ、トリュフォーの寵愛をうけて、ヌーヴェルバーグを代表した俳優の一人です。
硬いまじめな表情なのに、なんともマヌケ♪

脇役は、カウリスマキ常連俳優が出ており、なんかホッとする♪嬉しくなっちゃう♪

そして、元the clashのジョー・ストラマー1曲丸々歌うっっ!!なんて素晴らしい!

少し人生に疲れたマーガレット役のマルギホテル・クラークも良かった♪
朝陽のあたった彼女の寝顔、化粧が落ちてシミが目立つその寝顔のおでこを、そっといとおしそうに撫でるアンリが素敵。


「人生は美しいぞ、神の賜物だぞ、美しい花や動物が死を望むか?、俺たちだって仕事はないけど幸せだぞ」って、アンリを説得する悪党たちが大好きだ‼

イギリスの、霧ともやが漂う港の工場地帯、オレンジ色の電気がぼやけて煌めく風景が堪らなかった……

カウリスマキ独特の笑い。極限状態にも関わらず、ドタバタしない。いつもそうだけど、うるさくないオフビートの笑いに心惹かれる。
そして、表情のない表情とわずかなセリフと間と空気感で魅せる。解雇のシーンですら、笑ってしまう。
無駄があるようで、全く無駄の無い時間、間。

切なさと、恋と生きる喜びと、悲しさをも。

どの道を選ぶのかを考えさせられるラスト。

エンドクレジットで流れるストラマーのAFRO-CUBAN BE-BOPが泣かせる。


カウリスマキに外れ無し
MikiMickle

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