爆裂BOX

デビルズ・ロック ナチス極秘実験の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.3
D-DAY前夜、孤島のナチス軍事施設の高射砲を破壊するため送り込まれた2名の連合軍兵士がそこで見たものとは…というストーリー。
第二次大戦中、孤島のナチスの軍事施設で連合軍兵士が召喚された悪魔と対峙するオカルトホラーです。
連合軍兵士ベンとジョーは軍事施設の兵器破壊の任務を受けて島に上陸しますが、拷問を受けてるような悲鳴を聞いて救出の為に施設に潜入っするも、そこには死体が散らばりドイツ将校に襲われ監禁され別室には鎖に繋がれた女もいるらしいが、将校はそいつこそが原因だと言うという内容になっています。
かなり低予算の作品なのか、登場人物は全部で5人くらいでしかもジョーは最初の方で退場するので実質ベンとドイツ将校、鎖につながれた悪魔の3人だけで展開する舞台劇のような構成になっています。なので派手な戦闘シーンを期待するとがっかりすると思います。
登場する悪魔はシェイプシフターという事で、相手の愛する人に姿を変えて誘惑してきます。本編ではベンの死んだ妻の姿で登場します。誘惑するといっても一応肩のあたりまで服脱いだりするけどエロ描写は無いですね。本性露にするシーンでは全身赤い女悪魔の姿披露します。ただ、終盤までほとんど鎖で繋がれてるのでそんなに脅威は感じません。悲惨な死体の数々や将校の台詞からかなり凶暴な奴だという事は分かるけど。対峙する相手の大切な人の姿になれるという以外特殊能力みたいなもの持ち合わせてないし、「力も普通の女と同じ」と言われてますし。
施設内に散らばる死体は結構グロいです。悪魔のエサにするためにそれを解体する所も中々グロい。終盤の大口で頭に齧り付いて齧り取る所は一番の見せ場になってましたね。
全編通して主人公のベンとドイツ将校の心理的な駆け引きと悪魔との駆け引きがメインで描かれますが、役者陣の演技が良いのか緊張感あって楽しめました。特に最初拷問する側とされる側という感じだったドイツ将校とベンがだんだんと対等の関係になっていく所や相手を完全に信用できないながらも鎖から抜け出した悪魔を地獄に送り返す為に協力していく所は引き込まれましたね。
ラストの展開もそこまでの流れで信用してただけにあの展開はちょっと驚きました。その後のラストも投げっぱなしではあるけど、主人公がああいう対応とるとは思いませんでした。ある意味取引したようなものだし、彼も兵器として利用したようなものですね。これも戦争か。あのあとどれくらい犠牲者が出たんだろう。
全編通して会話劇や舞台劇の様な地味な展開なので派手な戦闘シーンやホラー描写期待すると外すと思いますが、役者陣の熱演もあって結構飽きずに鑑賞出来ました。