うにたべたい

キャプテンウルトラのうにたべたいのレビュー・感想・評価

キャプテンウルトラ(1967年製作の映画)
3.2
月も火星もはるかに超えて、宇宙に飛び出すシュピーゲル!
宇宙の平和を守り抜け!我らがキャプテンウルトラの劇場版作品。
キャプテンウルトラはウルトラQからなるウルトラシリーズの第三弾ですが、事情により円谷プロではなく東映の制作です。
ウルトラシリーズとは銘打ってますが、主人公・キャプテンウルトラは光の巨人に変身せず、それどころか特殊能力的なものを持たないという異色のヒーローですね。

宇宙開拓時代を迎えた人類に迫りくる脅威に対応するために戦う宇宙パトロール隊キャプテンの勇姿を描いたものとなってます。
テレビ放映されたものは2クール作品で、1クール目は地球を含む太陽系の侵略を企む宇宙人・バンデル星人との戦いが中心になっています。
本作は、1クール目バンデル星人との死闘を描いた、第2話、第5話の再編集版です。

やっぱりキャプテンウルトラの宿敵といえばバンデル星人ですね。
2クール目からは、ウルトラマンに比較すると視聴率が取れなかったためか、毎話新規で怪獣が現れてキャプテンウルトラたちが立ち向かう展開にテコ入れされるのですが、不気味な侵略宇宙人と戦うスペースオペラこそが、個人的にはキャプテンウルトラの見どころだと思います。
バンデル星人編でも、ガルバン、ブルコングといった怪獣が登場するのですが、怪獣回ではなくバンデル星人中心の回をもってきているのはグッドだと思いました。

第2話では、バンデル星人の怪星ロケットギンダー部隊が近づいたことを検知したキャプテンウルトラは、シュピーゲルに乗り込みギンダーに接近します。
敵機に乗り込んで偵察をしようとしたところ、こっそりシュピーゲルに乗り込んでいた訓練生・ケンジが勝手に宇宙遊泳に出てギンダーに乗り込み、そのままバンデル星人に捕まってしまう。
第5話は、冥王星の守備隊からの緊急要請・ウルトラサインを受けたキャプテンはシュピーゲルで冥王星に到着。
そこでバンデル星人のアジトを発見し乗り込むという展開です。
再編集版ですが、各話を繋げ合わせるような処理もしておらず、第2話が終わったらスタッフロールが流れて、第5話のOPが流れて第5話が始まるという、本当にそのまま連続して再生しただけというフォーマットです。
キャプテンとロボット・ハック、そしてキケロのジョーが、悪い宇宙人・バンデル星人と戦うというシンプルなストーリーなので、本編未視聴でも楽しめると思います。
ちなみにキャプテンウルトラを演じてるのは、ゼロ大帝などの悪役や任侠映画でヤクザを演じることの多い中田博久氏です。
本作中でケンジが宇宙時代とは思えないやりたい放題をやりますが、キレたキャプテンがケンジに指を詰めるよう迫るようなシーンはないです。
ケンジはむしろラストで褒められるので、多少は追い詰めても良かったのではと思わないでもなかったですね。

キャプテンウルトラは、2クール目ではバンデル星人も倒され、キケロのジョーも降板となります。
1クール目らしい回をピックアップして見れる劇場版はなにげに良作と思います。