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X線の眼を持つ男のおバカ犬のネタバレレビュー・内容・結末

X線の眼を持つ男(1963年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

B級映画の帝王ロジャー・コーマン監督作品を鑑賞。『最低映画館』という、私の好きな映画サイトがある。直接的なグロや汚物を予見させる映画が多く、私はそれが苦手なので、基本はレビューだけを楽しんでいるが、本作はそこで興味を持った一作である。
感想としては、さすが帝王と言わんばかりの面白さであった。


🎁夢と希望が詰まっている
透視ができるようになった男で主役である。
彼は決してスケベ心でこうなったわけではないが、男が透視でしてみたいことの筆頭に挙げられるエロとギャンブルを魅せてくれる。

エロに関しては内容は想像通り。ただ直接的なシーンはないし、男も映る。裸であのダンスをするシーンを撮影したかと思うと笑ってしまうが。

ギャンブルに至る経緯は少しかわいそう、というか最初からそうしろと言いたいが、これも夢があるね。スロットマシーンを透視して、あと2回で大穴だなんて透視は意味不明だったが😅

しかしこの発想、合法ギャンブルで透視が役立つものがない日本人では意外な思いつきであった。透視というと、どうしてもスケベ心に駆られてしまう。


😱大いなる力には…
夢と希望は詰まっているものの、現実は甘くない。能力を得たモノに定番の、力が暴走したり力を狙われたりする。

もともと薬で能力を得ているので、副作用や暴走が起こる。布一枚透ければいいものを人の識別ができないほど透けたりする。一番ひどいのは太陽まで透けてしまう。この時点で失明ですな。また、透けるので眠れない。彼は暗闇を求め彷徨う…かわいそう。

また、マフィアってほどではないが悪徳商人みたいなやつとつるんでヤブ医者まがいのことをさせられる。犯罪者として逃げ込んだ先でこんな目立つ仕事するのもどうかと思うが…。


🧠知的好奇心に駆られた男の成れの果て…
もともとは紫外線、赤外線を認識したいという願望で始めたこの実験。知的好奇心を抑えきれず自分に薬を投与したので自業自得ではあるが、なんだが可哀想である。また、透視能力がなくなってほしいと思うのに、金を儲けるために目薬をさしパワーを増幅させる姿は、もう中毒者のそれである。


😂適当さ爆発!爆笑したシーン
・医者の誤審を証明できなかったので、医者の腕をメスで切り裂くシーン。博士、素でもサイコパスである。
・猿での動物実験シーン。紙が透けて見えるのでボタンを押すのだ!って自慢げに言っていたが、絶対適当に押してるだけだろ!


⭐︎総評⭐︎
最低と最高は紙一重、ツッコミどころは多いがドツボにハマってしまった。夢と希望と現実が詰まっている。何より短くて観易い。会心の一作であった。


あらすじ
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人間の認識できる可視光はわずか1割、残りの9割を見たいと躍起になっている医者がいた。エグゼイビア博士である。彼は透視ができる魔法の目薬を完成させる。その力で医師の誤審を指摘したことが原因で、その医師を殺してしまう。

逃亡先では見世物小屋やヤブ医者として働くも、ついに助手に見つかってしまう。彼は海外逃亡すべくカジノで一攫千金を狙うも、透視による不正を疑われ暴走。最後は悪魔と対峙し、神の許しを乞うのだ…。
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