さんた

X線の眼を持つ男のさんたのレビュー・感想・評価

X線の眼を持つ男(1963年製作の映画)
4.0
デスレース2000のファンならばコーマン作品をもっと観ねばと思い、次に観たくなったのが本作。
透視というありがちなテーマに惹かれたし、透視能力を得た博士がそれを利用してアレコレする展開を想像して観たくなった。
レンタルを見つけることが出来ずに困っていたが、なんとか観賞に漕ぎ着けた。
パッケージイラストが気に入り過ぎてiPhoneの壁紙に設定したよ。

誰しもがきっと、透視できたらと考えたことがあるはず。
それが可能な目薬をエグゼイビア博士は発明、透視する眼を手に入れたのだが…。

80分程度の短めな作品。
しかしその中でさまざまな展開。
医療技術の発展という真面目さ、下心という娯楽感、人を殺すというサスペンス、隠れての生活、小悪党からの誘いというクライム感、ヒロインの存在、薬の副作用という恐怖、透視を利用したイカサマギャンブル、ヘリからの逃走劇。
短い時間にこんなにぎっしり詰め込まれているのだ。
私が期待していた展開とはかなり違い、透視を活かしてアレコレというよりは透視のせいでアレコレが多く占める展開だが、どちらにしてもダレ知らず。

映像的にはどうしてもチープ。
低予算というのもあるが、時代的に技術の限界もあったのだろうか。
”見え過ぎる”博士の眼から見た風景がよくわからない。
ビルの鉄骨がむき出しに見えるという説明があったから想像ができる場面はあったが、説明が無ければ何が映し出されているのかわからなかった。
だから他は何が何だか。
世界がやたらぼやけて黄ばんで見えてるけれど、もしかして博士目線だと本当にそうなのか?

展開も雑というか穴だらけというか。
自らへの初点眼でわざわざ両目に点眼しちゃうとか、他にもっといい道があったろうにわざわざ見世物小屋で働いちゃうとか、治りかけてきた眼にまたわざわざ点眼しちゃうとか(それもギャンブルに勝つ為に、)、スロットマシーンの当たりが何故か透視でわかるとか、逃走資金分が稼げたらもういいのに楽しくなっちゃってわざわざ大掛けして目立っちゃうとか、まともに見えていないのにわざわざ車盗んじゃうとか、そもそも急ぎの研究でもないのだから動物実験の段階でしっかり副作用まで確認するべきだったのではないかとか。
だがそれでいい。
私がこの作品に求めていたのは整合性では無いのだから。

コーマン作品、次は製作総指揮しているギガンテスを観てみたいな。
何故か手元にあるガス!も。
おバカ犬さん@foolishdog26
ありがとうございました🐶

個人的見所
実験に使われているお猿が点眼の後に目をゴシゴシする場面。
かわいい。
さんた

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