ツクヨミ

ブロードウェイのバークレー夫妻のツクヨミのレビュー・感想・評価

1.7
アステア&ロジャースの復活と現実の投影。
ブロードウェイで軽舞台喜劇役者として活躍するバークレイ夫妻は新作舞台初日の夜に新進気鋭の劇作家と出会うが…
チャールズ・ウォルターズ監督作品。今作は当時解散していたアステア&ロジャースが伝説の復活を果たした作品である。そしてアステア&ロジャースとしては初のカラーとMGMでの作品となり、かなり奇抜な印象を受けた。それはミュージカルを得意とする監督の中でもチャールズ・ウォルターズと言えばわりかし変な映画ばかり撮る監督の作品ということもあるが、やはり年のせいもあり2人のダンスシーンが全盛期よりかキレがなくなっているように感じたのも要員か。
しかし内容としては現実の事象を少し反映させておりそこは感心した。ジンジャー・ロジャースは当時アステアと解散してから喜劇女優から脱却し演技派女優の道を歩んでおり、1940年の"恋愛手帖"でアカデミー主演女優賞を受賞するに至る。今作でも以前のアステア&ロジャースでは考えられないくらいの演技派な演技を見せていた。そして内容として喜劇から舞台劇に転向する展開が現実とマッチして涙を誘う。そこではアステア&ロジャースとしてほんとに奇抜だが美しかったと思う。
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