ネズミツオ

巨大ねずみパニックのネズミツオのレビュー・感想・評価

巨大ねずみパニック(1982年製作の映画)
2.8
ステロイドを混合させた家畜用のエサを盗み食いしたドブねずみが巨大化!大都会の地下からワラワラ這い出てきて人を食い散らかすカナダ・香港合作の珍しい動物パニック映画。

前半は中年の男性教師が年増好きの教え子に迫られたり、街中で出会った女性から食事に誘われた後、ベッドのお食事へと展開するなど題材に見合わない色恋沙汰で見る者を唖然とさせる。「処刑教室」「ザ・ネスト」のリサ・ラングロワが色目を使いセクシーな下着姿で担任を誘惑する姿はファンなら嬉しいシチュエーションかも(笑)

肝心のネズ公ですが、異様に歯が長くギョエー!と奇声を上げ暗闇から顔を覗かせる姿が・・・カワイイ!暗闇に潰れて何が映っているかほとんど分からないんだけど、一流の特殊メイキャップマンがねずみを製作してるんですよ。あの「ジャンク」で電気イス処刑シーンを実は手掛けた(笑)アラン・A・アポーンや「バタリアン」でタールマンを造型したケニー・マイヤーズ、そして若き日のアレック・ギリス(エイリアン3)とそうそうたる面々!丸々と肥えたネズミが群れをなしてゾロゾロ歩く場面が割とリアル。どうやって動かしているのか疑問に思うほど良く出来ています。

監督は「燃えよドラゴン」のロバート・クローズ。映画館で流れている作品が自らメガホンを取った「死亡遊戯」。しかもクライマックスのジャバー戦をほぼまるっと見せてしまうサービス精神に狂喜乱舞。。リーの声はやっぱりクリス・ケントの吹替なんですよ。怪鳥音が鳴り響くなか、観客がボリボリ食われていく。手が千切れ、頸動脈から血液ピーピュー!観客がガラスを突き破る場面は死亡遊戯の倉庫シークエンスを思い起こさせる、というか「ドッグ」っぽいなんとなくパニックが伝わるチープ効果バリバリ。

地下鉄の乗客を血祭りに上げるクライマックスはキワモノ映画には勿体ない地下鉄会社全面協力の大胆なヴィジュアルが展開し、先のモテ教師が電車を運転するという暴挙に出て突然幕を下ろすトンデモなオチはTV放送時に割と気に入って録画テープ見返していた僕が20年ぶりくらいに鑑賞したのが本作という訳でした(なげえよ!)海外ではBlu-rayが出ていますが、誰特なの?なんて言わずレアな中古VHSを見つけたらサルベージしておいた方がグーですよw だってゴールデン・ハーベスト作品ですもの~♪

2016年8月13日(土)鑑賞。
初見は1989年12月6日(水)TBS『ナイト・アイ』(TV題名)。ポール(屋良有作)※エンドロールまで流れるノーカット放送でした。
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