イチロヲ

性の曼荼羅のイチロヲのレビュー・感想・評価

性の曼荼羅(2001年製作の映画)
3.5
幼いうちから禁欲的な隠遁生活を送り続けている若い僧侶が、世俗に触れるための旅へと出立する。チベット密教の見地から煩悩の在り方を説いている、ヒューマン・ドラマ。監督はインドのドキュメンタリーを手掛けている人物。

まるでZ級映画のようなDVDパッケージにされているが、その中身は「僧侶としての生き方について」をテーマにした、至極真っ当なドラマ。禁欲主義に不信感を抱いている若い僧侶が、世俗の不条理に触れながら、善行と悪行のシーソーゲームを体験していく。

ロケ地はインドのカシミール地方。雄大な景観と僧侶の生活様式が美麗な映像で収められており、生理現象に身を任せて夢精へと導くという、僧侶の性処理のことも直接的に描写されている。そしてセックス・シーンでは、秘技回転騎乗位が炸裂する。

僧侶は「生き方を模索しているアウトサイダー」であることがよく分かる作品。「人との付き合いが怖くなって逃げてるだけでしょ?」というツッコミどころが面白い。
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