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出稼ぎ野郎のsonozyのレビュー・感想・評価

出稼ぎ野郎(1969年製作の映画)
4.0
R.W.ファスビンダー監督の長編2作目。
3組のカップル+フリーな女性の7人と、別の1組のカップルたちがつるんでる郊外の町に、ギリシャからの出稼ぎ労働者の男が登場することで、彼らの不安定なバランスが崩れていく。

マリー(ハンナ・シグラ)とエーリッヒ、ヘルガとポール、グンダとフランツという3組のカップルと、ロージーという金で誰とでも寝る女の7人。
彼らはいつもアパート前、部屋、居酒屋でだらだらとたむろしている。
エーリッヒもポールも突然相方をビンタしたりヤバみを感じるし、フランツはロージーと関係を重ね、ポールはゲイのクラウスという男とたまに関係を持っている…という不安定な関係。

もう1組のカップル、エリザベス(イルム・ヘルマン)と金欠&髪薄めのピーターの元に、ある日、ギリシャからの出稼ぎ労働者ヨルゴス(ファスビンダー監督)が訪れ、ピーターと同じ部屋で暮らし始める。

ヨルゴスに対する好奇心や妙な作り話で盛り上がる中、マリーはエーリッヒに嫌気し、ヨルゴスに接近する。
ヨルゴスはギリシャに妻子がいるが気にする様子もないマリー。
7人の関係が更に不安定になり、エリザベスとマリー以外には、ヨルゴスに敵意や外国人嫌悪が生じ・・・

漂う可笑しみ、エロカワなハンナ・シグラ、ファスビンダー監督の不思議な味わい。
ほぼフィックスなシーンに時折挿入される、メンバーの様々な組み合わせの二人が腕を組んで会話しながら歩くシーン(withピアノ♪)がいいリズムを作り出してます。
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