nori007

アジアン・ビート(マレーシア編)サンライズ・イン・カンポンのnori007のレビュー・感想・評価

4.0
アジア各地を放浪し、流れ着いた先はマレーシアの田舎の村であった。そこでは昔ながらの風習をまもりシンプルな生活をしている人々。
スリ事件がきっかけで、そこの親父さんの家に住まわせてもらうことになる、そこには美しき女性と出会う。

しかしこの出戻りのために、世間からは恥ずかしい存在とされている。トキオにも最初は冷たく接していたのだが、とある事件をきっかけに心が通じあっていく。
そう、冷たく見えたのは様々な抑圧が反対衝動としてトキオに表現されていただけだった。その防御の中身は心の優しい女性なのだ。

今作は、普通に恋愛映画として優れている。トキオにとっても女性にとってもやっと安息の場所を見つけられたのだ。

ただ、このシリーズ特有の日本軍は北方からマレーシアを攻撃したとネガティブキャンペーンは忘れない。
詳しく補足しておこう。マレーシアは400年近く植民地支配を受けていた。その統治者であるイギリスをはじめて駆逐することに成功したのだ。そこには後に怪傑ハリマオと呼ばれるヒーローも存在した。
マレー沖では、東洋を支配していたイギリスの最強の戦艦プリンス・オブ・ウェールズと戦い、戦闘行動中の戦艦を世界で初めて航空機による攻撃で轟沈させた。おそらく日本が戦わなければこの地は今もイギリス領だったであろう。
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