【『グレイテスト・ショーマン』予習】
明日は個人的地雷案件『グレイテスト・ショーマン』を観に行く。主題歌This is Meは神曲だが、ポリティカルコレクトネスに神経質になり過ぎて凡庸退屈なのでは？という不安がよぎるからだ。

最近調べてみたら、『グレイテスト・ショーマン』はサーカスの基礎を作ったP・T・バーナムの伝記映画だということを知った。そして、既にバート・ランカスター主演に映画されていたことを知った。

ってことでバート・ランカスター版『グレイテスト・ショーマン』こと『バーナム』を観てみた。

これが、とてつもなくがっかりだった。P・T・バーナムは調べれば調べる程、決していい奴ではないことが分かる。夢見がちで、夢の為なら詐欺、煽り、売れるネタを持つフリークスを見世物にし稼ぐような男。正直、マクドナルドを乗っ取ったレイ・クロックよりエグいことをしている。バーナム効果というネガティブな心理現象を表す心理学用語までできる程の奴だ。

本作は、そんなP・T・バーナムのポジティブな面だけを抽出しているのだが、肝心なサーカスのシーンが手抜き過ぎて唖然とする。

彼が売れたの一つの要因は、『グレイテスト・ショーマン』でも描かれるフリークスショーだ。しかし、本作はフリークス要因を集められなかったのか、ナレーションでしか語られない。そう、この映画は予算の関係か、大事なシーン程ナレーションで済ませる致命的欠陥を持っているのだ。

劇場が火災に遭うところも、劇場の写真に火をつけるだけ。

ここまで、酷いとは思わなかった。なんたってバーナム役をランカスターにした時点で傑作確定だと思ったからだ。P・T・バーナムに近い、やばい奴だが惹かれてしまう男の映画『エルマー・ガントリー/魅せられた男』の主演をランカスターが熱演していたのだから、そりゃ期待するじゃないですか。

そんな彼も本作では大人しい。いやー、P・T・バーナム関連作品観るなら、『地上最大のショウ』を再鑑賞しとけば良かった。

P.S.ちなみにP・T・バーナムのリングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス は去年の5月に解散した。理由は、目玉演目のゾウパフォーマンスに苦情が相次ぎ方向転換を図ろうとしたのだが、観客離れが止まらず経営難に陥ったからとのこと。