俳優レイ・ダントンの監督デビュー作。
ロバート・クォーリーにとって『吸血鬼ヨーガ伯爵』2作に続く吸血鬼映画となる。
アメリカ西海岸の浜辺、桃太郎風にどんぶらこどんぶらこと黒い棺が流れ着く。中に入っていたのは、何処から来たかは知らないが、アメリカ進出を図る吸血鬼コルダであった。
コルダはヒッピーたちのパーティに現れて、彼らを支配下に置く。なにせドラッグに呆けている連中だから、能弁なコルダのインチキ哲学にスッカリ感心、彼が姿を消すと怖がるどころか、スゲエ!やるな!となる。下僕の黒人ミュージシャンが操るラーガなサイケ音楽もあって、あっという間にヒッピーたちは、踊る吸血宗教団と化してしまう。
このクォーリーの吸血鬼尊師は明らかにチャールズ・マンソンを意識している。で、こいつエラソーにしてるけどヘンじゃねえのとなるのが、ネイティブ・アメリカンのヒッピー青年とワイルドな暴走バイカーなのが面白い。
最後はネイティブ・アメリカンの青年と彼が慕う先輩ヒッピー(『12人の怒れる男』のジョン・フィードラー)で吸血鬼退治。ここである生き物が意外な活躍をして可笑しい。しかしあれは何のために飼っていたのか。吸血鬼にも健康法がある?
パロディ風味の楽しい映画だ。

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