完全自己満足でお送りする不定期企画『レビュー0件映画を鑑賞してみた』
　これはFilmarks内で未だレビュー投稿のない作品をあえて鑑賞し、レビューを書いてみようじゃないかという、無謀かつ誰得な企画です。

　とりあえずのルールとして、Markされていても、レビュー欄が空欄だったり、あったとしても「記録」や「過去鑑賞」のような、レビューとは言い難い内容の書き込みもレビュー無しとみなします。

　さて、今回鑑賞した作品は……
　『ヘル・キャンプ』　LDで鑑賞。
　1986年　アメリカ　アクション、スリラー　　先客5名様

　究極の軍人を育成するための特別な訓練への参加に選ばれた10名の兵士。その中にはケイシーという女性も一人含まれていた。
　彼らに課せられた訓練は、フィリピンの孤島のジャングル内に潜む仮想の敵に捕まらずに逃げ延び、ポイントを稼ぐという、いたってシンプルなものであった。
　しかし、舞台となるジャングルは、ベトナム帰りの狂った司令官ベッカーが独裁的に支配する ‶ベッカー王国” となっていた。
　訓練生たちはベッカーの部下たちにあっという間にとらえられ、訓練とは程遠い酷い扱いを受け続ける。実弾で脅され、捕虜以下の処遇を受ける彼らは、次第に肉体的にも精神的にも疲弊していく。
　そしてついに、起きてはならないことが起こり、訓練生の中で最年長のローガンの怒りが爆発する。

　訓練という名目のもと、人が人を支配し、人権無視の酷い仕打ちを繰り返す不快さを味わうしかない作品。そういう意味では『プリズン・エクスペリメント』に近いものがあるかな。

　男の世界というイメージの強い軍隊の中に女性が入ることを良しとしない、そんな軍の男尊女卑に真っ向から抵抗する人物としてケイシーは描かれている。そんなケイシーの身に降りかかる、この上ない残酷な仕打ち。これは本当にはらわた煮えくりかえる。
　遠回しに性差別への警鐘を鳴らしている作品かもしれない。軍に限ったことではなく、社会問題として。

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