かのん

造られた殺人のかのんのレビュー・感想・評価

造られた殺人(2015年製作の映画)
3.1
スポンサーを怒らせて休職、妊娠6ヶ月の妻に離婚を突きつけられ、公私共に崖っぷちの記者ムヒョク(チョジョンソク)は、偶然にも世間を騒がせる連続殺人事件に関する特ダネをゲットする。高視聴率を獲得し、上層部からも目をかけられるようになったムヒョクだが、それが大誤報だと気づいてしまう。どうにか事件に関するニュースを収束させようとするが、局からは続報を迫られ、警察からは詳細を追求される。

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不法滞在者による連続殺人事件の犯人らしき情報をゲットし、家に潜入。そこで血まみれの臓器を発見し、人間に対する恨みを綴ったメモを持ち帰る。そんな不法侵入して手に入れたメモをニュースで取り上げたり、犯人らしき男の車を追跡した動画を公開したり、その人がニュース観たら一発アウトなことばかりして大丈夫?というシーンが続く。

復帰し、局員達から祝福された勢いのまま妻と復縁するも、結局妻の話も聞かず自分のことで一杯一杯だからそれじゃまた同じだよね。

調べていくと、臓器はレプリカで血はケチャップ、メモは演劇の台本という顛末で大ガセ情報を取り上げてしまう。後には引けない状態になって自分で捏造メモを作成するも筆跡不一致でバレるわ、情報提供者が帰国資金をせびり始めるわの地獄展開。

そんなコメディ展開だったのに、急にシリアスに。捏造メモで予告した通りに殺害事件が続いていく。殺された男の住所に向かうと現れた謎の男。胸糞エンディングで終わっていく。

最後、全ての真実を知った局長がムヒョクに「真実か嘘かを判断するのは視聴者。彼らが信じればそれは真実」という言葉を告げる。人によっては「そんなのアリ?」と思うだろうけど、エンディングも相まってモヤモヤすぎて逆に響いた。その言葉を肯定するわけではなく、自分はその真実を見極められるようにありたいと感じさせた。
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