すいそ水

乳母車のすいそ水のレビュー・感想・評価

乳母車(1956年製作の映画)
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母親の三味線弾き語りがかっこ良すぎる。

新珠三千代の浮気親父に言いよるセリフがかっこよすぎる。
「私たちには足りないものがあった。良いと思ったことでも社会からはみ出してしまった。
人間には2つの倫理があると思うわ。それは近くを見る目と、遠くを見る目。
駄目だと思ったことはもう続けたくないの。」
近くは現実から離れたもの、遠くは現実を。
父親は現実から離れたい。

母親のセリフも父親フルボッコ。
「この人に頼っている女なら駄目になる」

浮気映画なのに全て洗いざらい現実を見させて、若者のまっすぐさを織り交ぜながらポジティブに持っていくのが斬新で明快だった。女性の自立と誰もが平等であれという民主主義が啓蒙されていた時代だったのかな?


あとアパートの1階で作業している女性たちが、つい作業歌を歌おうとしてるところが面白かった。
大衆食堂の描写も良かったなあ。美味しそう。
すいそ水

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