殺る気なヘンリーシルヴァ

ギャングスターズ/野獣死すときの殺る気なヘンリーシルヴァのレビュー・感想・評価

2.9
風変わりなドラマが展開するクライム映画

【概要】
とあるギャングのボスのもとに働くジャック(エリック・ロバーツ)は
組織の資金を5つの店に分けて隠していることを知る
そして、とある8人を集め2人一組でペアを作り資金を隠している店を襲撃させ襲われたふりをしてお金を強奪しようと画策する

【感想】
話の締め方は微妙だけど中盤から後半にかけては中々面白かった

以降ネタバレありレビュー

強奪のために集められた8人には重い病気があるという共通点があり使い捨てできるような人物であった
それを知った面々はジャックがそういう人物を利用する残忍なクズだと思い込むも
実はジャック自身も重い病気があり故に共感できる
自分のような金がなければ先が長くない重病の人間を作戦に誘っていた

今作はこの重病の持ち主である者達の独特な絆を描いた作品で一人またひとりと散っていく中熱い展開が続くのが見所

また、強奪するために組まされたペアは裏切らないようあえて性格が相容れない人物同士を組ませていたのだが
前半はそれ故ギスギスした間柄、やり取りが展開するも
互いの状態、現実に戻っても後がないというバックボーンを知っていくうちに絆が芽生えていくという良い方向へのバネになっていたのが良かった

総じてそこいらの私利私欲のため無実の人を傷つけるクライム映画に比べ今作は主人公サイドはギャング以外危害を加えていないため共感しやすく登場人物達に同情してしまうような良い映画だった

欲いえば生き残る人が微妙だった…
そこを最後もう一展開余韻の残るラストにできるよう持っていきそのための人選ができていれば隠れた秀作になり得たと思う。