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マージン・コールのharunomaのレビュー・感想・評価

マージン・コール(2011年製作の映画)
3.1
リーマン・ブラザーズ崩壊のリアルタイムのその日の一日。
投資銀行や証券会社などについてのテーマの映画は全然少ない。
『マネー・ショート』は繰り返し見るが、『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』は冗談、未だに見終わらない。
ヤケに無駄な夜のシーンが多いなと思えば、現在進行形の崩壊のその日を描きたいのだから仕方がない。
意識の高い気取った輩と、ガラス張りの摩天楼は相変わらず20世紀だが、深夜の会議室にCEOのジェレミー・アイアンズが登場すると俄然面白い。案外、このような田原総一郎みたいな俗物の爺さん(浪費はしなそう、話を聞くような目は持っているが独断が過ぎる、自分の利益のために相手の名前を憶える)が、トップにいるかも知れず、明け方における、自己都合の強欲の弁護のあざとさも含めて、ジェレミーはなかなかいい。デミ・ムーアは世代が違いまったく存じ上げないが、まぁいい感じだった。
スーツを着たネオリベの鬼っ子たちが、アホみたいな問題に徹夜しながら、最後の資本の後始末に精を出す。
ケヴィン・スペイシーが闇の中で、文字通り墓穴を掘る描写など、
ダウナーであり、こんな映画を丁寧に撮っていくことなど、一体誰が得するのだろうか?マージンコールなど聞きたくないだろう。
ショパンの「雨だれ」がほとんどそのまま流れていた。
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