Chico

シュザンヌの生き方のChicoのレビュー・感想・評価

シュザンヌの生き方(1963年製作の映画)
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六つの教訓シリーズ2作目。
薬学部に通う内気な青年ベルトランは、遊び人で奔放な友人ギョームに内心憧れている。ギョームはカフェでナンパしたシュザンヌと付き合い始めるが、他の女に声をかけたり、度々彼女を貶したり、お金を搾取したりする。ベルトランはギョームに振り回されるシュザンヌに憐れみを感じる一方で、平静を装いギョームよりうわてだと言わんばかりにいい女アピールする彼女を心の中では見下していた。ある日パーティーの後、足がないシュザンヌを自分の部屋に泊めてあげるが…。

主人公ベルトランのナレーションと共に物語は進行する。最後まで古い小説を読んでいるような感じでした。(単に翻訳の仕方や語り口のせいかも)物語の構造がわかりやすく確かに教訓がありました。清々しいラストです。

-ここからネタバレ-






女をバカにした男性二人の滑稽さを描いているように見えるが、実際はまさにタイトルどおり、シュザンヌの生き方を描いている。前半、他人に利用されたり、自尊心の低さが描かれるけど、彼女は賢いし、いい意味で図太い。自尊心を回復して、しなやかな強さを手に入れる。そして、他人の感情や言葉やペースに縛られたり、それに合わせて自分を落とすことはなくなり、最後に幸せを手にする。
自分を大切にしない男も、それに金魚のフンみたくくっついている男も踏み台にして自分のレベルを上げる。そんなたくましさにあっぱれ。
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