このレビューはネタバレを含みます
「Look at music cityーー」
カントリーは皮肉がない
素直な気持ちを歌うだけ
リヴァー・フェニックスの遺作。歌手を目指す若者たちの美しい青春。何といってもサマンサ・マシスがキラキラと輝きまくってます。
カントリー音楽のオーディションで出会い惹かれるミランダとジェームズ。引き立てるカイルとリンダ。愛と呼ばれるものがぎゅっと詰まったカントリー映画。
夢を叫ぶ屋上
深夜のドラッグストアでの誓い
オーディションでの目配せ
刹那に消え去る青春の匂い
リヴァーが目立ちがちですが、これは誰がなんと言おうとサマンサ・マシス!クールだけど可愛くてイカツめのギターがよく似合う。リヴァーの最後の彼女でサンドラ・ブロックの親友だとか。
粗暴だけど芯がある。今でいうキルスティン・ダンスト…と思ったら若草物語で同じエイミー役。久しぶりに掘り返したい女優さんに出会えました。めっちゃ好き。
リヴァーは言わずもがなですね。「Guitar is my life」と残した彼の歌声や振る舞いはまさにミュージシャン。この頃から何かしでかしそうな危うさプンプン。他愛ない会話やラブシーン含め、さすが二人の息はぴったり合っています。
「酷いことを言える人ほど相手に依存している」若い二人の不安定さ、友人との確執。オーディション(=夢への一歩目)だけの儚い繋がり。それを諦めないから、諦めたくないから、細く長く続く関係性が見事です。
おそらくアメリカ映画が好きな人にとってこの映画には懐かしさがある。日本人だけど、カントリーやカウボーイハット、街並みにすらどこかホッとする。若い頃は映画の二人のようなキスがしたいと憧れ、年を取ると眩しく見え。見慣れた風景や展開のおかげでもあり、皆が憧れ経験してきた想いがそこにあるから。
夢破れる者、諦めず走り続ける者。ナッシュビルに集まった頃のように、輝きを取り戻す四人が美しかった。