ユウサク

エルム街の悪夢/ザ・リアルナイトメアのユウサクのレビュー・感想・評価

3.7
三宅隆太推薦。エルム街の悪夢の「7」

ヘザー・ランゲンカンプをはじめ、ロバート・イングランド、ジョン・サクソン、なんとウェス・クレイブンやロバート・シャイなど製作陣まで本人役で登場する異例の続編・スピンオフ。『エルム街の悪夢』が映画として実在する世界でフレディ「らしき」何かが襲ってくる話。

まず10年間で7作も作られてるこのシリーズの存在自体が凄いなと思う。そして換骨奪胎の意欲が爆発したメタメタなこの作品が作れるのもウェス・クレイブンが生み出したこのシリーズの持つ力があってこそ。恐怖は語り継がれていかなければならない。現実に恐怖がはみ出さないように……。

自分の好み的には〆が最高。悪夢から生還した後にフェードで後日のシーンとかに移行せず、そのままその場で脚本を読み聞かせ始めるのがスピード感重視で良い。あらゆる映画の〆はこれくらい潔くあってほしい。演出で言うと気づいたら映画の中の世界になっていたシーンがとても巧妙で、シリーズ通して特に注力されている「シームレスな悪夢への移行」がまたちょっと違う形で表現されていて面白かった。
また特撮は1や3のオマージュが楽しいしオリジナルメンバーの集合は嬉しい。キャストだと特筆すべきは子役ミコ・フューズの千両役者っぷり。作品を支配していたのは実はこの子だった気がする。
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