にっちもさっちも

エルム街の悪夢/ザ・リアルナイトメアのにっちもさっちものネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ここまでずっと不安で嫌な気持ちが続くホラー映画を作ったのはめちゃくちゃ凄い。日本人にとってはリアルタイムな地震、当たり作の幻影を追い続けられる女優、現実へと侵食する過去の呪い、どれもがリアルな不安と嫌らしさに溢れている。

何より、夢vs現実というエルム街シリーズの対立構図に、虚構vs現実というメタな対立構図を重ねる手腕と発想が美しい。
この後のスクリームシリーズにも通ずるテーマが見え隠れしている。

近所の病院に息子の大好きなぬいぐるみを持ってくるという超簡単な事ができない母親、夢遊病の対策を全くしない病院、子供を危険に晒すためだけの不可解なキャラの動き、色々とご都合主義ではあるのだが、それすら現実なのか虚構なのか分からないというこの映画ならではの設定の一部のようだった。

さらに「恐怖を虚構の中に閉じ込める」というウェスクレイヴンにとってのホラー映画の役割も示されているのも良い。