ロメロxキング。キングならではの物書きの苦悩と二面性、ドッペルゲンガー。
確かこの頃か、キングは偽名でランニングマン書いたりとアイデンティティに悩んでいた時期。自分で成仏させるためにロメロにお祓い頼んだようなものだろうか。
今回久々にラストを観て、ああ、これファンタジー映画なんだな、と。
鳥へのオマージュ、陰と陽、二面性、シャム双生児、双子の息子(これは伏線ではなくバランス)。
執筆室にサッドとスタークが入る時の双子を両脇に抱えたリフレーミング。バランス。均衡を崩すお互いの自己主張。
雀はあの世の橋渡し。ここもバランス。
どんな人間にも凶悪な二面性があり、それは自然の摂理でバランスが保たれていると。乱闘ではなく執筆で決着つければなあ、とも思うが、結局執筆ではスタークに負けていたという事か。おかげで生活もバランスが取れていた訳だ。そういう意味ではダブルでやっていた方が幸せだったかもしれない。
他の作品に比べて脚本にパンチは無いが不条理にもどんどん大量殺人されるのは変なカタストロフがある。冒頭の脳内目玉の迫力、雀襲来など見所はある。
アパートの赤青のライト、本棚越しの点で増える光、鳥の大軍、随所の場面が美しく印象的。
ぱっつんエイミー・マディガン、今じゃ悪役マイケル・ルーカー、Landのチャーリー役ロバート・ジョイのイカしたゆすり屋、なによりティモシー・ハットンの2役を楽しみたい。ある意味ロメロっぽく無い、キングっぽい映画。