アトミ

回転木馬のアトミのネタバレレビュー・内容・結末

回転木馬(1955年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

60点

ビグローは雲の上で星磨き。
と、おっさん天使?から「地上で身内が困ってるようだ」と知らされる。
スターキーパーにお願いすれば誰でも「1日だけ」地上に帰れるらしい。
ビグローはスターキーパーの元へ行く。

が、ビグローは過去に「地上には戻らない」と言ったことが記録されていた。
が、スターキーパーは特例(地上で善人だった場合)でなら地上へ行けると話す。
が、地上で善人とは言えなかったビグローは諦めて帰ろううとする。
と、スターキーパーはそんな簡単に諦めるなと呼び止める。
スターキーパーはビグローに地上での職業を尋ね、ビグローは「回転木馬の呼び込み」でやり手でモテモテだった話を語る。


マリンの回転木馬(カルーセルワルツ)
美人ジュリー(ビグローが気になる)を特別扱い(タダで回転木馬に乗せる)するプレイボーイビグロー(ロックオン)。
イチャつく2人にヤキモチ妬く回転木馬のオーナーマリン夫人はジュリーに「もう来るな!」と言い放つ(尻軽女が木馬に乗って評判を落としたという理由で)。

言い争いが始まった所で、ビグローがやってくる。
ビグローがジュリーの肩を持つのでマリンは脅すつもりで「クビ」という言葉を使ったが、ビグローには効かない。
「上等だよババア」的にビグローは職を失う。
とりあえず、向こうにあるベンチで待っててくれ、一緒にビールを飲みに行こうとビグローはジュリーに言って別れる。

ベンチ。
ビグローと合流はしたが、バスコム綿工場で働くジュリーと連れのキャリーは寮の門限を守らなければクビになる。
キャリーは早く帰ろうと促すが、ジュリーはビグローと話がしたいため、キャリーだけを帰す。

ビグローとお話をしていると、社長のバスコムが通りがかり、ジュリーに何故こんな時間にココに要るのかを尋ねた。
と、邪魔されたビグローはバスコムにキレて絡む。
と、その揉める声を聞いてポリスメンのティモニーがやって来る。
チンピラ(結婚詐欺的なほぼ犯罪者)のプレイボーイビグローのことをティモニーから聞いたバスコムは、ジュリーに諭すように寮へ帰るよう促すが、ジュリーはビグローと一緒にいることを選択する(ジュリー失業決定)。
バスコムはジュリーの自由を尊重し、帰って行き、ポリスメンは「何でもいいからビグローを逮捕しとけば良かった」と捨て台詞を残し帰って行った。

お話の続きを始める。
お話する内にビグローはちょっと変わり者のジュリーに惹かれ、2人は結婚する運びとなる(2人は無職)。

が、ビグローは自分は結婚に向いてないと感じていた。
1文無し職なしの2人はネティのところで世話になる。
が、ビグローは仕事もしない(ジュリーはヨットハーバーにあるネティのレストランで働く)。
とりあえずイラついてるビグローはジュリーにDVしたりしたが、それでもジュリーは別れなかった(ジュリー曰く、ぶたれたが全然痛くなかったと)。

本日は「浜遊び」の日(祭り的な)。
ビグローの悪友であるチンピラジガーは浜遊びに参加(アリバイ作り)し、港へ戻り、ワトソン船長に大金を渡しにやって来るバスコムをナイフで脅して金を巻き上げようぜとビグローを誘う。
が、ビグローはそこまでする気はない。

が、キャリーが婚約者で漁師のスノウ(西田敏行みたいな笑い方の男)が船を増やすので仕事に誘おうとしても、「臭ェな」と言い、スノウを怒らせる始末。
回転木馬の呼び込みしかしたことがないので他の仕事が出来ないんだと庇うキャリー。

と、マリンが訪ねてきて回転木馬の呼び込みに戻らないか?と誘う(ジュリーと別れる交換条件)。
その気になったビグローだった。
が、ジュリーが妊娠していることをビグローに打ち明け、ビグローは気が変わりマリンを追い返す。
そして子供(女の子だったことを考えて)の為に真面目に働くこと、それがダメなら盗んででも金を作ることを決意する。

ビグローはキャリー達と仲直りし、「浜遊び」に合流することに。
そしてジガーの話に乗る(おいおい)。


浜遊び(近くの島でキャンプ的)。
チンピラシガーは1人になったキャリーに近づき、護身術を教えてやるといい、逆に抱きつかせたりする(キャリーはアホだからそれに気づかない)。
そんなところを婚約者スノウに見られてしまい、尻軽女と婚約破棄。
アリバイ作りは成功。

そんな中。
メーンエベントの「宝探し」が始まろうとしていた。
スノウとビグローは小舟で港へ戻る。

とりあえず2人はバスコムが来るまでの暇つぶしとしてカードで賭けをする(ビグローは無一文だから分け前から差し引き)。
と、ガンガン負けてしまい取り分ないほどに。
ブチ切れてるところにバスコムが現れ、ビグローが呼び止め、ジガーがナイフで脅すも、捕まり、拳銃を突きつけられてしまう。
バスコムが人を呼び、ジガーはトンズラ。
ビグローも逃げるが、高所から転落した際、持っていたナイフが自分の腹に刺さってしまい倒れる。
警察官らが駆けつける。
そこへ帰って来た浜遊び一団。
ジュリーの腕の中でビグローは死んでしまう。
ジュリーはビグローに黙っていたことを話す。
「アイラブユー、アイラブユー、アイラブユー」。


ということで、ビグローはそれから15年の間星を磨いていた。
心残りと言えばジガーの頭をかち割ることくらいだが、ジガーは下界にもココにもいないとスターキーパーは言う(どこにいるかは必要ないから教えない)。

とりあえず「娘」が不幸になっていて、ビグローなら何とか出来ると考えたスターキーパーは娘の様子をビグローに見せた。
今は無邪気に浜辺を走り回る娘の姿。
ビグローは下界に戻る事を許され、天使と共に娘ルイーズの元へ。

ルイーズは「泥棒の子」とイジメられながらも逞しく生きていた。ように見せていた。
(ここで移動劇団による回転木馬パフォーマンスがあり中心で踊る男前とルイーズが恋に落ちる感じがあるが、子供過ぎてキスがよく分からず唇を拭い、男前に子供扱いされて終わる)。

泣いているルイーズにビグローは「パパの知り合い」という事でコンタクトを取る。
そしてルイーズの手を取り、下界から降りてくる時に天空からパクってきた「小さなスター」をルイーズにプレゼントしようとするが、ルイーズはキモがる(当然)。
「離して!」と、手を振りほどこうとするルイーズの手をビグローはぶっ叩く。
ルイーズは「ママー!」と叫び家の中へ。
天使「また愛する者をぶつんだ?」

と、ジュリーとルイーズが玄関から出てくる(2人にビグローは見えない)。
ルイーズ「変なオッサンがいて私をぶったの。でもスゴい音がしたのに全然痛くなかった。まるでキスされたような感じだったの。」と。
それを聞いたジュリーは
「そういうことあるのよ」と。

ジュリーは庭のテーブルに置かれたスターを持って家の中へ(ビグローが来たことを理解した)。

娘にまだ何も出来ていないビグローはとりあえず卒業式が見たいと天使に延長を頼む。


卒業式。
スターキーパー似のセルダン医師(卒業生皆を取り上げた医師)の言葉。
彼の言葉はまるでルイーズのための言葉だった。

「親の成功も失敗も親のもの。子が恥じる必要はない。君らの人生は君らのもの。この世界も君たち若者のものだ。ほおり出すな。人から嫌われるけとを恐れるな。だが人を愛せ。」

ビグローはルイーズの隣へ行き、彼の言葉を信じろと言い、それが届いたのかルイーズは隣のクラスメイトと肩を組み、笑顔で歌を歌う。
それを見て、ビグローはジュリーの隣へ行き「愛していた」と今まで言えなかったことを伝える。
そしてビグローは帰って行った。



というお話。
「愛してる」という言葉を気軽に言わないというのは日本人的だから入りやすいイメージあるね。言葉の重みも感じて良い。

ルイーズの前に現れた移動劇団の回転木馬パフォーマンスのシーン。
男前はビグロー、ルイーズはジュリーとリンクしてるんだろうね。カルーセルワルツがそれを後押しする。
んだけどイキナリの「ルイーズにはよく分からない」という「唇拭うシーン」は良かったな。
ルイーズは既にルイーズの道を歩き始めてるとして後の医師の言葉ともリンクしてくるかな。

なんだけど。
愛する人にぶたれても「痛さなどない」という「ドM女の話」なのかちょっと笑う。
この辺りの違和感がスゴい。

多分ジガーは地獄行きになってるニュアンスだけど、どえらくビグローがエコヒイキされてる印象を受ける。
そこがよく分からないな。そこまでチンピラじゃなかった(本質善人)からかな。と。

なんと実は原作者モルナール・フェレンツが妊婦の妻を殴ってしまい訴訟騒ぎになったことがベースになってるようで納得した。
ただの「言い訳」。そら「ドM女話」にもなるわ。

15年経たなきゃならなかった意味とかも無かった(原作では16年に1回天国へ行く試練として下界に戻る)し、結局「ビグローが助ける」というより「ルイーズ自身が勝手に悟る」感じでビグローの心が逆に救われて終わった印象。
いわゆるビグローを「成仏」させる為にスターキーパーやオッサン天使がわざわざ手助けしてると。
この辺りも原作者の事を考えるとちょっと呆れてくる。


PS
てかスター窃盗はお咎めなしなんだな。
どこまでも甘いスターキーパー
アトミ

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