穴のなかに入ったらジョン・マルコヴィッチを15分間VR体験できるという発送が狂っていて素晴らしいし、そんな人の思考の中に入ることを通して自己のアイデンティティーとは何かを問うという安部公房みたいなことをやってしまうストーリーも最高な作品。7.5階に存在するギャグみたいな部屋もアバンギャルドで作品の特徴をよく表現している。
でもやっぱり一番狂っているのはマルコヴィッチがマルコヴィッチの穴に入って体験した世界。
アイデア先行型のストーリーといいどことなく松本人志監督作品にも通じるものがあるが、彼はこの作品を見て「これが映画なら俺にも撮れるはず」と思ったのだろうか(確か松本が雑誌に連載していた映画評論では取り上げていたはず)。