蝶は、光に向かって飛んでいった。
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帳は、ひとつの幻想に恋したのだった。
なんて詩的で美しい映画なんだろう。もちろん万人にウケるものではない。しかしこうした淡い恋愛をしたことがある人にとってはものすごく刺さる映画だと思う。
登場人物は、みな心に傷を持っている。清水美砂も家庭では素っ気なくされているが、いざ街に出てみると街がざわめく。カナダの素朴な田舎で日本人は珍しいしなおかつちょいセクシーなのでみんな気になってしょうがない。
特に少年はとても献身的で健気なのだが、家庭では父親との葛藤で頭を悩ます。もちろんひと夏の経験というのはお互いがわかっていることだろう。しかしそれだけに強烈で切ない。