Jeffrey

お人好しの仙女のJeffreyのレビュー・感想・評価

お人好しの仙女(1935年製作の映画)
3.0
「お人好しの仙女」

冒頭、ここは孤児院。日々真面目に働く女性たち、館長の指示により映画劇場で就職することになった1人の女性ルイーザ、男との出会い、求婚、純情さ、デート、パーティ、嘘。今、外へ出た女性が愛を知る…本作はウィリアム・ワイラー監督が1935年に監督したマーガレット・サラヴァン、ハーバート・マーシャルを迎えた作品で、チャーミングなスクリューボール・コメディである。この度DVDで初鑑賞したが可愛らしく面白い。

さて、物語は孤児院を出たばかりのルイーザは映画劇場の案内係に雇われて就職する。そこで知り合ったレストランの給仕デトラフに誘われてパーティーへ。その店で会った富豪のコンラッドは、彼女の純情な美しさに心奪われ求婚する。困ったルイーザは、とっさに結婚していると嘘をつく。すると彼は何かルイーザに親切な気持ちを表したいと提案してくるのだった。

本作は冒頭に手を合わせて子供たちが老教師に教わり歌とステップのレッスンをしている野外のファースト・ショットで始まる。ここは市営女子養護施設である。カメラはミシンで編み物をしている女性、料理をする女性らを捉える。シュラップコール館長がここの女館長に会いに来る。続いて、キッチンで悪ふざけをする1人の女子生徒ルイーザがひょんな事から天井にぶら下がってしまう。そこへ館長らがやってくる。

ルイーザは仕事を与えられ明朝出向くことになる。周りの女性たちは行かないでと悲しむ。そして女館長と別れて映画館の案内係に就職する。こうして彼女の物語が始まるのである…と簡単にオープニングを説明するとこんな感じで、ルイーザ役のマーガレット・サラバンが可愛すぎる。心がほっこりするような映画で非常に素晴らしかった。まさに古き良き米国の映画だと感じる。

給仕の男に誘われてレストランに行って、2人が会話している最中に、ルイーザが彼に向かって孤児院から今日出てきたのと言って彼が驚きながらも楽しそうに会話する場面は幸せである。それに彼女が音楽は大好きといい、ドレスがないからと貸してもらってパーティーに招待され初めて見る光景に戸惑いながらもにこやかに楽しむ姿を見るのも幸せである。

DVDのパッケージにもなっている多分1番の見所である洋服屋さんで狐の毛皮マフラーを首に巻いて鏡で自分の姿を見るバーバラのあのシーンは映像的にも画期的だし可愛い。
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