千年女優

フレンチ・コネクションの千年女優のレビュー・感想・評価

フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)
4.0
NY市警の薬物対策課に所属するベテラン刑事で、目的のためならば手段を問わない剛腕ぶりで「ポパイ」の異名を持つジミー・ドイル。売人取り締まりに精を出すある夜に訪れたクラブでマフィアの大物が絡むマルセイユからの大規模密輸の噂を嗅ぎ取った彼が、相棒のルソーと共にキーマンのシャルニエを追う様を描いたサスペンス映画です。

世界的ベストセラー『グリーン・ベレー』で知られるロビン・ムーアの同名小説をウィリアム・フリードキンが映画化した作品で、体当たりの演技を見せるジーン・ハックマンの熱演もあってアカデミー賞作品賞を受賞。後に『エクソシスト』らを手掛けるムーアの出世作となり、デヴィッド・フィンチャーやスピルバーグに影響を与えました。

ニューシネマ期ではポランスキー監督作品の『チャイナタウン』に並ぶネオ・ノワールの代表作で、冒頭の刑事射殺からクライマックスで本作を本作たらしめたカーアクションまで一時も緊張感を途絶えさせません。グローバル化によって肥大化する裏社会の混沌と、それを泥臭く追う一人の警官の執念と共に描いた、ヒリヒリさせる一作です。
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