だんぷまみず

フレンチ・コネクションのだんぷまみずのレビュー・感想・評価

フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)
3.1
課題2ー⑥
暴力警官が麻薬組織を追っかけるお話。

実話を基に作られている作品との事で、現実にあったフランスからアメリカへの麻薬密売取引の尻尾を掴んだ刑事の話を題材にしているみたい。冒頭の音楽からスタイリッシュ。

暴力警官“ポパイ“と相棒“クラウディ“がバーで見かけたとある出来事をきっかけに捜査を進めていくけど、ほとんど言いがかりに近い理由で始まってる。そもそもこの2人、正義のためにってよりストレス発散くらいの感じで、黒人が入り浸る酒場で突然取締りやったりと、かなりダーティな感じ。捜査が本格的に始まってからFBIのメンバーとも強引にチームを組まされるけど、こことも衝突してばかり。対する麻薬組織はフランスのダンディなおじさまって感じで、尾行中の対比が印象的。悪人はレストランでのんびり食事とワインに対して、警官はさっむい中ピザと紙コップでコーヒー。当たり前といえば当たり前だけど。正義側である警官が汚く、悪人側が優雅に描かれてる。

尾行シーンはギャグかと思う様な謎のテンポ。素人である下っ端相手には何の問題もないけど、親玉相手には遊ばれてる上に冗長にも感じる。
それと比較して電車とのカーチェイスシーンは大迫力。エキストラ入れずに、対向車もセットとかではなくて実際に街中で撮影したみたいなので、迫力が凄い事になってる。よくこんな事が許されたもんだ。結局丸腰の相手の背中に一発ぶち込む徹底ぶり。とにかく悪をぶちのめすって感じだけど、当時どんな反応だったんだろう。
ついに尻尾を掴んで、犯行に使われる車をオトリとして使い、取引現場に突入してからも協力していたFBI警官も撃ち殺すし。なんかもう悲哀感とかもなくそうだろうなって感情になってくる。

ラストは色んな映画で使われる手法になったであろう、実話ベースの登場人物たちのその後を語るエピローグが淡々と流れる。これだけ危険を顧みず、めちゃくちゃやった末の静かなラストがまた印象的。