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ハロウィン IIIのmgcのネタバレレビュー・内容・結末

ハロウィン III(1982年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ブギーマン不在の「ハロウィン」は
サスペンス×SF×オカルトのカオスで愛嬌のある一作。

来るハロウィンに向けてアメリカ中は盛り上がっていた。主人公の医者は久々に元嫁と子どもに会いに行く。ハロウィン用のマスクをプレゼントするも、元嫁に買ってもらったラバーマスクのほうがお気に入りのようだ。

📺「えーストーンヘンジが盗まれたようです。原因は不明。以上ニュースでした。(伏線)
....ハッピハッピハロウィン♪シルバーシャムロック☘
ハロウィンマスクはシルバーシャムロック!」
このメーカーのマスクのようだ。かわいいCM()に子どもたちは夢中である。

...その晩、ハロウィンマスクを持ったオヤジが無表情の黒服軍団に追い回されている。命辛々逃げ切り、病院に運ばれてくるなりTVのハロウィンマスクCMを見て「皆殺しにされる!」と叫ぶ。
その晩のうちにまた黒服軍団がやってきて、オヤジは異常な握力で眼球を潰されて殺されてしまった。
主人公の医師はその姿を追うも、黒服は焼身爆発自殺。

翌日オヤジの娘が駆けつけ、遺体を確認し悲しみに暮れる。オヤジはおもちゃ小売店の主人だったらしい。遺品となった帳簿を見ると、「シルバーシャムロック社」という例のハロウィンマスクを持った商談をしに行ったがそこで記録は途切れていた。

何か事件の匂いがすると、医師と娘の2人はシャムロックの工場がある小さな町へと向かった。
どうやら、町一帯をシャムロック社が牛耳っているらしく、町民全員がほぼ移民で、やたら愛想が良いがどこか人間味がない。そして午後6時に外出禁止のサイレンが鳴る。気味が悪い。

モーテルに泊まると、医師と娘は恋に発展(?)。医師は街をふらふらするとホームレスに話しかけられる。
「あいつらシャムロックは町をのっとったが俺たち原住民に仕事をくれなかったんだ!ヤベーことしようとしてるし、俺が工場燃やしてやる...!」(その後、黒服軍団に首を引きちぎられる...)

その晩、隣の部屋に泊まっていたおもちゃ問屋のおばさまが悲鳴を上げる。(マスクに付いているシャムロック社のロゴを触ると謎のレーザーが照射し顔面裂傷!)
そこに駆けつけたのは救急車ではなくシャムロック社。社長「私たちが最高の治療をしますから安心してください」
怪しいってレベルじゃねーぞ。

次の日、小売店の夫婦を偽り工場見学することになった(謎の技術持ってるくせにマスクの作り方はやたらアナログ)
「最終工程があるけどそれは企業秘密なのだ☆」とか匂わせられる。ますます怪しい。んで、殺されたオヤジの車も発見し疑問が確信に変わる。

ここまではちゃっちいサスペンスだがココから物語はどんどんカオスになるのである...!

とある女医が医者に協力して冒頭の焼身自殺の残骸を調べていた。いくら調べても骨や歯は検出されず、歯車のような部品しか出ない。そこに黒服が現れドリルで女医の頭に穴を開ける!(みせてはくれない)

モーテルに戻る医者を追いかける黒服軍団!モーテルに置いてきた娘はすでに拐われていた。医者は必死こいて逃げて、シャムロック社に潜入。
追いかけてきた黒服をぶん殴ると、なんとドテッパラにポコーンと穴が開く。
社長「そう!こいつらは!精巧なロボットだったんです〜!!」

もっと秘密を教えたいと、医者をラボに連れ込む。そこには盗まれたストーンヘンジ。医者は実験映像を見せられる...
マスクをつけた少年が例のCMに続くチカチカ映像を見ると、バタッと倒れてなんと頭からゴキブリやらヘビやらが飛び出してくるではないか!(なぜ〜?)

社長「我々はケルト族の末裔。本来のハロウィンは霊魂に生贄を捧げる日。全てのマスクにはストーンヘンジのカケラを仕込んでいる。それを被った子どもがCMを見るとなんか不思議なことが起こってウワーって虫が這い出して死ぬ!そして私は世界征服するのだァ!!!」

えーー!!!
シャムロックマスクはアメリカ中で大流行(なんでだよ)している...
(ここでマジで流行ってるんだよ〜って各地域でたくさんの子どもがマスクをつけて遊んでいるご都合映像が挿入される。ポスターにも使われているが夕焼けの中を歩く子どもたちのシルエットの画はやたらかっこいい。)
ので、たくさんの子どもたちがCMを見る可能性は高い!(マスクしか作ってないしどう見ても中小企業なのにその資金源は何?)

シャムロックは刻々とCMを流す準備をしている。絶望する医者は拘束されてマスクを被され、テレビの前に放置される。
も、テレビを蹴っ飛ばして拘束を解き、娘を奪還する。(ガバガバ)
元妻に電話して今すぐそのマスクをすてろと訴えるも、「はぁ?私のマスクの方が喜んだから嫉妬してんだろww」と取り合ってくれない。

だんだん腹たってきた医者はラボに侵入し、天井からストーンヘンジが仕込まれた取り付け前の商標をぶちまける。
するとロボット社員たちはビリビリっとスパークしてぶっ倒れる。(?)
そしてチカチカCMと過剰反応し、エネルギーフォース爆発!「お見事!」と社長がフォースと共になる。(?)

さぁやっとキティゲェ集落から逃げ出せる!と2人で車に乗り込むと、既にロボットと化していた娘に襲われる!悲しくもやっつける医者。(ふぅ...ってなってまた娘が蘇って襲ってくるのを3回ぐらいやる。しつこくて爆笑した)

ヒィヒィ言いながら駆け込んだガソスタ。流れるのはあのCM!
放送局に電話して、放送を取りやめさせようとするも1つのチャンネルだけは間に合わず、チカチカCMは世に流れてしまう。
自分の子どもが...多くの子どもが...そして生霊が復活してしまうのか...絶望の叫びをあげてバッドエンド。

...マイケル不在で、ハロウィンの名を冠し遊び倒したこの作品。
カーペンターは10月31日に起こる色んなシチュエーションのホラー作品を「ハロウィン」ブランドとして出そうとした試みらしい。でもやっぱりファンが見たいのはやっぱりマイケル。

劇中でハロウィンがテレビ放送していたり、町内放送のボイスがローリー役の女優だったりするメタネタが仕込まれているがファンの神経を逆撫でするのみである。

なんともカーペンターは、「ボディスナッチャー」を撮りたい気持ちをこの作品にぶつけたらしい。ので無表情のロボットだったり、ラストで最愛の人が実は...という展開に。

名曲、テケテテケテテケ♪も使われていないが。オープニングの映像とテーマはやたらカッコいい。
ハロウィンの名を冠していなければ語り継げられるポンコツカルト映画になっていたと思うけどねぇ......
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