佐藤克巳

社長漫遊記の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

社長漫遊記(1963年製作の映画)
4.5
アメリカかぶれに嵌った社長森繁久彌が徐々にペンキが禿げる姿が愉快な杉江敏男監督のシリーズ安定の秀作喜劇。九州支社長三木のり平が、天草四郎ドタバタ芸の秀逸さを始め終始作品をリードした功績者。対して営業部長加東大介の見合いが破談となりしょげかえる秘書課長小林桂樹。出演者が、司葉子がその後継者と目された藤山陽子に、団令子が雪村いづみ、新珠三千代が池内淳子に代わりフレッシュ化が実り、淡路恵子、草笛光子は矢張り達者な演技を披露した。社長自ら出張して若戸大橋に代表される北九州市での、フランキー堺、河津清三郎等との営業合戦に火花を散らす。ケネディ・池田時代の日米親密の日本経済発展の躍動感が拝見出来る逸品である。
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