これぞアレックス・コックス、これぞ真性の映画オタクが作ったやんちゃムービーの傑作。若い頃にしか作れない瑞々しさに溢れた逸品。🛸
ロバート・アルドリッチの『キッスで殺せ！』をトレースした二転三転転げ回る独特なストーリーテリングや、後半のSF的展開、アメリカン・ニューシネマを彷彿とさせる乾いた映像美など、全編に於いて「小技」が炸裂したコックス監督の面目躍如な一作となった。
個人的に本作に於ける「映画オタク度」で言えばタランティーノの『レザボア・ドッグス』『パルプ・フィクション』を凌ぐ完成度だと思っている。また、ハリー・ディーン・スタントンの掴み所のない怪演も見所の一つ。
こういう低予算で純粋に面白い映画を作れる才能が心底羨ましいと感じる。アレックス・コックスのデビュー作は本当に瑞々しくパンクな魅力に溢れた青春映画である。🎸
タランティーノが行間の多い台詞中心の演劇調だとすると、コックスの場合はカット割のダイナミズムで魅せるサム・ペキンパー的な泥臭い演出だ。全編、スピーディーでキレが良い。この頃の勢いがあったアレックス・コックスよ、カムバック❗️👊
