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天才マックスの世界のadeamのレビュー・感想・評価

天才マックスの世界(1998年製作の映画)
3.0
ウェス・アンダーソン初期の学園コメディ。
この監督の個性として認知されるシンメトリーな構図と作り込まれた美術による絵本のような画作りは今作ではまだ未完成な印象ですが、とぼけたキャラクターとシュールなエピソード、そして水平移動を多用するカメラワークは既に確立されており、音楽のチョイスとスローの使いどころにもセンスがあふれています。
優秀だが変わり者の青年の年上の女性へのほろ苦い恋を交えた青春物語というだけならありがちですが、クラブ活動をかけ持ちしまくっている設定や校長との子ども同士のような友人関係がユニークでおかしかったです。
エピソードの羅列的な構成でストーリー運びの弱さは否めませんが、学生の演劇としてはありえないぶっ飛んだ演出からの拍手喝采そして打ち上げパーティーという終盤の流れは良い映画を観た気にさせるには十分な素晴らしいラストスパートでした。
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