そーた

悪魔の毒々プラトーンのそーたのレビュー・感想・評価

悪魔の毒々プラトーン(1988年製作の映画)
2.9
言論の自由

人に薦められないものの方が、
薦められるものよりも圧倒的に多いでしょう。

その薦められないものの中に燦然と輝いて君臨しているのがこの作品。

トロマ製戦争ムービー。
飛行機事故から生還した一般人がテロリスト集団と死闘を繰り広げるお話。

トロマ流エロ&グロは安心のクオリティー。

ただ、戦争映画にトロマ節をブレンドする。
その相性が抜群過ぎて、お酒をチャンポンして悪酔いしたみたいで余り気持ちが良いものではないんです。

毒々モンスターのような明らかなフィクション感が欠けてしまっているせいで、却ってトロマムービーの癖が戦争の生々しさや悲惨さを増幅するのに一役買ってしまっている。

神父さんが殺されるシーンはちょっと生々し過ぎた。

どうにかフィクション感を出すためにブタ鼻の大佐を登場させたまではよかったものの、HIV感染したMr.SIDAだったり双頭の奇形をした黒幕など、モラル崩壊っぷりが甚だしい際どいキャラにはどうもやり過ぎな感が否めない。

まぁ、この普通では考えられないモラル感覚や放送コード度外視な映画作りがトロマムービーのモットーだと言い切るのであれば、分かりましたよ!
とことん付いて行きますよ!

うん、慣れてしまえばなんて事はありません。
人間の最大の武器は「慣れ」なんですね。
どんなにグロくても、どんなに衝撃的でも、どんなモラルハザードが起きようとも、僕はもうビビりません。

あらら、劇中の一般ピープル達もいつのまにやら凄惨な戦場に適応してしまっている。

人間の持つ恐ろしさを垣間見た瞬間。

あぁ、この映画。
やはりお薦めはできませんよ。

でも、見ないということもお薦めはできません。
こんなのだって歴とした映画。

言論の自由を地で行くかのようなトロマムービー。

僕は好きなんですよね。
ちょっとした告白。
そーた

そーた