そーたさんの映画レビュー・感想・評価

そーた

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バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト(1992年製作の映画)

3.1

反則的な俳優

僕はハーベイカイテルが大好きです。

あの顔とあの声で、
汚い言葉の使い手なんだもん。

反則的な俳優だと思います。

そんな彼の魅力を味わい尽くす、
そのためだけの映画。

主人公が
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.5

ボンド映画の集大成

してやられた、、、

この言葉しか浮かびません。

ボンドの全てを閉じ込めた記念碑的作品。
ひとつの歴史が終わりましたね。

といっても公開からだいぶ時間が経ってしまった。

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雨月物語(1953年製作の映画)

4.1

物としての器、人としての器 

民藝運動で有名な柳宗悦は優れた器の条件として「作為のなさ」が重要と説きます。

朝鮮半島の名もなき陶工が作った井戸茶碗を最上とするのも、やはり「作為のなさ」ゆえ。

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狂った一頁(1926年製作の映画)

4.0

二項対立の交換原則

映画っていうのは少なからず解説が必要な場合がありますよね。

難解な映画や設定が細かい映画だったり、解説へのニーズは多々あれど、
初見で全てを理解できる映画なんて皆無じゃないのか
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.2

欠けた奥歯に触れるたびに、、、

「敵や思うたらええやんか。
男一匹、千人でも万人でも敵にまわしたれや。お前、そういう奴とちゃうんか。」

生き方に強がるということが刷り込まれすぎたせいか、こういうセ
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青い春(2001年製作の映画)

3.9

チルダ

松本大洋の容赦ない世界観が短編故の濃密さで読むことを殊更に強要してくる異色作、青い春。

この作品ほど、強烈なまがまがしさを放つ代物はないと思う。

雰囲気やら不条理やら、
セリフも構成も絵
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.5

壁を作るヒト、乗り越える人間

最近、会社の会議で、部署間の壁を無理やりに取っ払おうという風な議論が進行していた。

各部署同士の協力体制をヘンテコに解釈した結果のおかしな帰結。

少なくとも僕にはそ
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ミッドウェイ(2019年製作の映画)

2.5

夜の街道での怪異。

映画館が近くにあるって、とても便利です。

さっと行けて、ささっと帰れる。

ローランド・エメリッヒ監督の戦争映画と聞いて、迫力の映像と人間ドラマが観れたらうれしいな、そんな気持
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

4.0

鳥、繰り返しの選択肢

毎日毎日、朝がやってきては、
時間になるとお腹がへり、
お気に入りの音楽を聴いて悦に入って、
しまいには映画に心を動かされる。

そんな繰り返し繰り返しの人生。

「環境は位相
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.3

僕と映画の関係性

僕の心には扉がある。
錆び付いているのか、
なかなか動かない。

固い扉。

開けたくても無理なんだ。

うん、、、

少しも、少しも、、、

いつからそうなったんだろう。

でも
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

5.0

徹底的に抑制された副交感神経

脈打つ血。
脳内を駆けずるアドレナリン。
開いた瞳孔、直立する立毛筋。

賦活された交感神経が、
僕の心を激しく揺さぶる。

マッドマックス 怒りのデスロード。

芸術
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今日から俺は!! 劇場版(2020年製作の映画)

3.8

今日から俺 "の" !!

学生の頃、岩田くんっていう、ずんぐりとしたやつがクラスメートにいたの。

そいつがやたらとマンガを貸してくれたんだよね、、、

「課長バカ一代」とか、
「うしおととら」とか
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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.9

タランティーノの嘘

真実は事実を殺し、
事実は虚構に殺される。

事実も真実も痛めつける、
映画というあからさまな嘘。

嘘を極めつくした、
センセーショナルな自己賛美。

鬼才クエンティン・タラン
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

5.0

それだけで、十分

映画の何が好きかって、、、
もしも、それが分かってしまったら、
それって味気ない。

感情が揺さぶられることに、
理由なんていらないはず。

この「桐島、部活やめるってよ」とは、
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カーズ(2006年製作の映画)

3.9

子供向け映画で元をとる

哲学者・木田元さんの「反哲学史」のなかで思想家・丸山眞男氏の創世神話類型の話が出てきます。

「なる」、「うむ」、「つくる」。

丸山氏によれば、
この3つの型へ、あらゆる神
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ヴェノム(2018年製作の映画)

3.8

わたしという人間。

わたしは、
リチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」とか、
夏目漱石の「私の個人主義」なんかを読んで、
利己主義が自分のスタンスにあってるのだなと思ってきました。

そして、ア
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ズートピア(2016年製作の映画)

3.9

痒いとこに手は届く??

多様性という言葉が多用されて久しい昨今。

多様ってなにやら大事であるのだろうな、とは誰もが思うところ。

でも、言葉ってひとり歩きしてしまう。

ときにはもてはやされ、とき
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.9

自粛、自粛、自粛

とんでもない世界になってしまいました。
多くは語りませんが、時期を察すればようわかることでしょう、、、

自粛だなんだって、元の世界をもはや忘れてしまいました。

おぼろげな、記憶
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

アナログやら、デジタルやら、、、

ぼくは普段ゲームはやりません。
というか、やる時間がない。

むかしは狂ったようにやってた時期もあったんだけど、
プレステ2が壊れて以来卒業してしまいました。

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ジョーカー(2019年製作の映画)

5.0

ツァラトゥストラは笑う

ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」をようやく読破した。

高校生のときに挫折し、
この年になりようやくという、感慨。

すべてを理解はできなかった。

けれど、はっと
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ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

3.9

倫理観、SF、機械

作り手の意図をくみ取ろうとするよりも、
あくまで自分の感性を映画そのものにぶつけてみる。

簡単に言うのならば、
映画というものをどう解釈しようがこっちの勝手でしょ、ということ。
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

2.9

想像と連想は違う

ジョークやギャグとは言うなれば言葉の連想からこしらえるもの。

そして、
連想というものは連なりゆくイメージの予想外の結末と、なによりもその帰結が理路整然としていないところに最大の
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.1

罠と熱狂

エンド・ゲームの興奮冷めやらぬ中、
間髪入れずに迎えたフェーズ3、有終の美。

ストーリーテリングという名のクモの網目に捕らわれた次なるマーベルの獲物、
青春映画という名の傑作。

いやは
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オルフェ(1950年製作の映画)

3.8

西洋の眼、東洋の眼

オルフェウスと聞けば、
ギュスターブ・モローやオディロン・ルドン辺りの象徴主義芸術を真っ先に思い浮かべてしまう。
 
彼らの主題の捉え方の違いに鑑賞者として抱く気持ちは様々だろう
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.5

壮大なPV

耳に馴染んだ曲は、
テンションを一気に沸騰させるエネルギーに満ちているようで、
実は受け手側の感受性に大きく依存する。

聴き手の受容力が高ければ、音楽の効果は最大限に発揮されるもの。
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トータル・リコール(1990年製作の映画)

4.5

現代人はB級映画の夢をみるか?

子供の頃に見てた映画って、今の感覚で考えたらぶっ飛び過ぎてるものが多い気がして、その代表格として、このトータル・リコールを挙げておきたい。

ポール・ヴァーホーベンが
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家族(1970年製作の映画)

4.1

家族、ダイナミズム

ずいぶん前に観た映画だから、
レビュー書けるかな、、、 

とりあえず、つらつらと、、、

クリムトの接吻で有名なヴェルベデーレ宮殿内に展示されているエゴン・シーレの『家族』とい
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ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

4.0

日本風の中指

最近、妙に、無性につまらなくて。
そういう時に出会えた作品がこれ。

日本映画よ、
本当に、本当にやっちまいやがったな。

ファイト・クラブの衝撃と、
ザ・ワールド・イズ・マインの不快
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

5.0

歴史に刻まれる大作

ここまで楽しみにしていた作品はないと、もう断言してしまいたい。

飛び交う前情報と過度に高まる期待が混ざり合ってしまうと、
不思議とヒトは虚無になる。

2回観て、ようやく泣けま
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キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

4.0

映画が娯楽であることの醍醐味

仕事のせいにはしたくはないけれど、仕事の充実度と反比例するかのように
映画鑑賞の頻度が激減してしまったことが切ない今日この頃。

もはや映画の存在を忘れかけてしまってた
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ドラゴンボール超 ブロリー(2018年製作の映画)

4.2

いいやつばっかり(笑)

あの圧倒的な熱量で最終回を迎えたアニメシリーズの正当な続編となる、今回の映画版「ドラゴンボール超 ブロリー」。

わー、凄かったよ、
これは、、、

闘って、変身して、闘って
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ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

3.7

一人称と三人称

息子のお宮参りで神主さんが祝詞を読んでいるのを聞いていて、
この儀式の意味は一体何なんだろうと考えてしまいました。

儀式の最中にひたすら思考を巡らしてみてようやく、
神社の意義とは
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

4.1

僕はディズニーが、、、

ぼくのスターウォーズ熱が、
ついに冷めてしまった。

EP8のブルーレイを買ったまま1か月近く放置していたのはその予兆だったのです。

そして、
「ハン・ソロ」の公開が迫り、
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デッドプール2(2018年製作の映画)

4.5

サノス~

人に出し抜かれるのは嫌だけど、
映画に出し抜かれるというのは最高に気持ちが良い。

マーヴェルが生んだ異色のヒーローもの第二弾は、正に意表を突く面白さでした。

R指定とパロディーとを内に
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バードケージ(1996年製作の映画)

3.6

往々にして日々

僕らは往々にして日々、
素を覆い隠してしまうものです。

常識に一般論に、
それらを固定観念と一括りに呼んでみる。

そんな僕らの固定観念をサラリと挑発する極上のエンターテイメント。
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.1

一緒くた

写真と絵画。
以前、両者の違いに悩んだ事がありました。

超絶技法を駆使し写真と見紛うほどの絵を目の前にしたとき、
僕たちはそれを写真と見なしてしまうのではないのか···

制作過程が伏せ
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