みおこし

ワイルド・アット・ハートのみおこしのレビュー・感想・評価

ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)
3.3
突然のデヴィッド・リンチ(笑)。彼の作品はやはり一朝一夕で理解できるほど簡単ではないというか、下手したらずっと理解できないままで終わるんだろうな…とつくづく感じます。

しがないチンピラのセイラーは、ある日恋人のルーラの母親で、娘に異常な執着を持つマリエッタの差し金で殺し屋に命を狙われるが、間一髪のところで回避するも逆に返り討ちにしてしまう。それでもなお、マリエッタは二人の仲を裂こうと追いかけてくると踏み、セイラーはルーラを連れて逃走するのだが、実は彼は執行猶予中で…。

『俺たちに明日はない』『トゥルー・ロマンス』『ナチュラル・ボーン・キラーズ』など、アウトロー・カップルの逃避行を描いた映画が好きなので、本作も満を持して鑑賞してみました。
どのカップルもインパクトが強かったけれど、本作のセイラーとルーラのぶっ飛びぶりは超ド級(笑)。演じるニコラス・ケイジとローラ・ダーンの迫真の体当たり演技も相まって、2人のある種狂気に満ちた恋愛模様に終始釘付けでした。それにしてもローラ・ダーン、すごいシーンの連続でただただすごい女優さんだなと脱帽…。
さらに驚いたのが、2人の因縁の敵となる母マリエッタを演じているのが、ローラ・ダーンの実の母親であるダイアン・ラッドということ(つまりブルース・ダーンの奥様)!!ただの親子共演ではなく、2人とも”怪演”を見せる映画での共演ということで、「お互いよくこの演技をすることを了承したな…」とちょっと焦るくらい(笑)。

カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品ということで、独特かつ前衛的な映像美と、あるようでないストーリーラインに圧倒されるばかりだったのですが、ラストはやはり「???」マークがやまず…。
『オズの魔法使』が印象的にリファレンスされていたのが興味深かったです。
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