犬

教授と美女の犬のレビュー・感想・評価

教授と美女(1941年製作の映画)
4.0
『白雪姫』を翻案したかのような人物造形は7人の小人ならぬ7人の老学者(クーパーを除く)であり、性格の個性は専門分野による知識の個性として顕著な働きを見せる。『舟を編む』に影響を与えていそうな辞典の編纂による俗語調査/収集から住む世界が違う美女と出会い、互いの需要と供給だけであった関係は書籍を踏み台にしてキスをするバーバラのアクションによって見事に動揺させる。付随して、終盤ではギャングの手下をダモクレスの剣によって撃退するという緊迫かつ痛快なシーケンス(「先週の映画みたいだ」言いながら『ヨーク軍曹』の真似をするシーンあり)があるが、この恋愛には無力だが武力には勝る教養の使い分けが即物的な運動の対比として物語的快楽を豊かにする。
犬