犬さんの映画レビュー・感想・評価

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エッシャー 視覚の魔術師/エッシャー 無限の旅(2018年製作の映画)

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ミラクルエッシャー展へ行って実際にエッシャーの絵を見ると「私は芸術家ではなく数学者だ」と言ったことの意味がよく分かる。幾何学模様の派生から敷き詰め模様として緻密な計算のもと成り立っている白黒作品や版画>>続きを読む

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

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今作に関しては明らか黒人に対する理不尽な過誤だから胸糞を糧に正義の在り方を実感するのだが、結局は黒人が黒人のことを守って白人が心動かされて白人が判決しているのだから今も昔も変わる訳がなく、「ジョニーD>>続きを読む

太陽の塔(2018年製作の映画)

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有識者による太陽の塔の魅力は具体的にも抽象的にも語られる。博識だろうが無知だろうが、聳え立つモニュメントを前にしたら「なんか分からないけど、とにかく凄い」と思わせる芸術力こそが岡本太郎の凄さ。

ベン・イズ・バック(2018年製作の映画)

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薬物依存との葛藤や家族との再構築に比重を置かずに後半の展開が『ジョンウィック』ってのは勿体なくないかい。せっかくルーカスヘッジズが『ある少年の告白』で同性愛者という難しい役柄を演じてからの今作という連>>続きを読む

CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)

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そういえば素数とかブーツを投げて確認とかあったなーって感じだけど、オリジナルにどこまで忠実なのか思い出せなくてストレス。岡田将生は精神異常から理性を抑えられずってよりかは元々サイコパスなのかな。とりあ>>続きを読む

幌馬車(1950年製作の映画)

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感覚的に『駅馬車』辺りの公開年ならまだ分かるが、流石に騎兵隊三部作のあとでは不出来で食傷気味に感じる。ジョンウェイン不在の中で奇抜な乗馬や派手な疾駆がある訳でもなく、インディアンとの抗争も緩いので特筆>>続きを読む

ある少年の告白(2018年製作の映画)

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ホモフォビアによる救済/矯正/治療という名の洗脳によって迫害されるセクシャリティ。近年では様々な告発や運動によって時代が変わりつつある過渡期なわけだが、性的なことに限らず神の存在を盾にして全てを正当化>>続きを読む

リオ・グランデの砦(1950年製作の映画)

3.0

一兵卒の二人が乗馬術であるローマ式立ち乗りをノースタントで挑んでいるのが迫力ありすぎて凄い。普通は家の柱とかでやるような息子の身長測定をテントでこっそりやるジョンウェインパパ推せる。これまでになかった>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.0

バリーコーガンでさえ「12歳かよ!」と思わずツッコミを入れてしまうような中年と老齢の絶交を2時間弱も飽きさせずに語り切る手腕。具体的な原因ではなく人生/時間の浪費を悟ったブレンダングリーソンの一方的な>>続きを読む

彼女来来(2021年製作の映画)

3.0

思わず唸るようなフレームを意識した構図や濃淡の強い陰影が幾つかあってショットに関しては普通に目を見張るものがある。ムーラボ作品ということで音楽が必須なわけだが、バイオリンの音色は功を奏し不穏な雰囲気を>>続きを読む

黄色いリボン(1949年製作の映画)

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ジョンウェインの老けメイクが様になりすぎていて威厳と退役の有終完美から騎兵隊三部作としては今作で締め括っても良かったんじゃないかと思うほど。酒場によるヴィクターマクラグレンの豪快なアッパーで始まる乱闘>>続きを読む

アパッチ砦(1948年製作の映画)

3.0

シャーリーテンプルが鏡の反射を使って後方のジョンエイガーを覗き見るカットやアパッチ族との交戦にて砂塵を抜けて現れる技巧的なショットなど西部劇に於いて視野の広がりを感じる手練。『荒野の決闘』のヘンリーフ>>続きを読む

SELF AND OTHERS(2000年製作の映画)

4.0

牛腸茂雄がレンズを通して覗いたその先の眼差しと時間の結晶。様々な風景の煌めきをモンタージュとして映像である前に写真であることを思い知る。「半月仕事をして一月分の生活費を得たい。残りの半月は読書と映画で>>続きを読む

事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)

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心霊現象の演出から演技の段取りまで拙劣すぎるが、『残穢』からの『パラノーマルアクティビティ』からの『キャビン』からの『来る』というただの良いとこ取りなのも酷い。あの流れからして高田純次は『来る』の柴田>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

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タルベーラからの継承が粘着質なショットではなく俳優に多くを語らせないことや動物へのアプローチで一安心したが、キリスト教やらギリシャ神話を用いた結果が竹取物語ってのは考察が捗っても作品の評価には値しない>>続きを読む

スティルウォーター(2021年製作の映画)

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サッカー観戦中に偶然犯人を発見するわけだが、同居人の娘を連れていることが足手纏いとなり絶対に返り討ちか誘拐されるかと思った。そのままマットデイモンによる拉致からの監禁も予想外の展開に見舞われることもな>>続きを読む

三人の名付親(1948年製作の映画)

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異色の西部劇であり父親奮闘記でありクリスマス映画でもあるとは恐れ入る。生死を彷徨う救済に於いては聖書の導きであるロバではなく単純にパーリー保安官の人情でも良かった気がする。最低で最高な刑務所への送別が>>続きを読む

ボディ・アンド・ソウル(1947年製作の映画)

3.0

八百長に手を染めたボクサーの回想形式として挫折と栄光はあるが、転落というほど物語全体が沈むわけでもないのでそれほど心揺さぶられず。ラウンドを重ねてパンチを打ち続けるほど無数のフラッシュがリング外で焚き>>続きを読む

荒野の決闘(1946年製作の映画)

3.0

静かなる西部劇と言われるだけあって日常的なドラマにはあまり関心を持てなかったが、如何せん『駅馬車』に匹敵する疾駆のフォローショットにブチ上がってしまう。ヘンリーフォンダの口髭には違和感しかないが、西部>>続きを読む

コレヒドール戦記(1945年製作の映画)

3.0

戦争シーンと束の間の休息である日常パートの緩急が極端で全体的に停滞気味ではあるが、それを差し引いても空軍襲撃に海軍から応戦するシークエンスは仰角アングルによる臨場感があり、改造巡洋艦を撃沈するときの爆>>続きを読む

果てなき船路(1940年製作の映画)

3.0

冒頭から陰影の濃淡が強く、ウォードボンドが吐いた紫煙の輪っかが官能的。シーンが闇夜になれば陰影はより顕著であり、濡れた石畳や扉越しの娼婦なんかは最早真っ黒に近い。ストーリーは地味だが、とにかく陰影とロ>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

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タイムループから脱出するためにサラが最も有効な時間活用として量子力学を勉強するシーンはナイルズ思考であった俺の怠惰主義を覆すものがある。まあ、いつかは何かしらズレが生じて何者かに狙われたり世界を守るた>>続きを読む

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

3.0

行間や情感を読ませるだけでなく卓越したショットでも見せてくれる極めて映画的な演出。特に、食事デートのあとに外で鳥の群れを眺めるシーンの人物配置による構図が良い。クリスがスマホを所有して夢や恋が身近にな>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

3.0

『バーフバリ』で免疫力が高まっているはずなのに簡単にブレイクスルーしてくるのなんなん?凡人の想像力では描けないブロマンスアクションの具象化をコンスタントに叩き出すくせに、例の肩車だけ知能指数が爆下がり>>続きを読む

怒りの葡萄(1940年製作の映画)

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仮出所なのに家族や身内から脱獄だと思われるヘンリーフォンダ笑う。土地を追い出された家族が道中に訪れるダイナーの店員と客のやり取りが粋すぎてこれぞロードムービーだと膝を打つ。ラストで母親が前を向きながら>>続きを読む

巌窟の野獣(1939年製作の映画)

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やはりヒッチコックのコスチュームドラマはつまらない。ラストがチャールズロートンの飛び降り自殺みたいな終わり方だったけど、あの高さで甲板に落下しても骨折くらいで死にはしないんじゃないか?、、『山羊座のも>>続きを読む

ノベンバー(2017年製作の映画)

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農具で召喚された傀儡のような使い魔の無機質な愛着性に『マルケータラザロヴァー』よりは多少の興味を惹かれたけど、やはり今作のような土着的かつ幻想的な北欧民話?は必ずと言っていいほど後半から眠くなるから苦>>続きを読む

リトル・ガール(2020年製作の映画)

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母親が危惧していたように、サシャはこの先も辛い思いをすることがあるかもしれない。しかも、サシャにとってのそれは喧嘩などで立ち向かえば相手の見る目が変わるというものでもないだろうし、それに対する明確な解>>続きを読む

アイス・ロード(2021年製作の映画)

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『恐怖の報酬』から影響を受けた脚本らしいが、あの手に汗握る緊張感を全く感じることが出来なかったのは凡庸な脚本のせいかリーアムニーソンの安心感のせいか。襲撃してくる相手が上層部にバレることを恐れて発砲し>>続きを読む

ハニーボーイ(2019年製作の映画)

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幼少期と青年期の時間軸で自身を投影したシャイアラブーフの自己セラピーでしかないのだが、毒親である父親役を自らが演じることで精神的に理解を近付けるってのは俳優だからこそであり画期的。

私の20世紀(1989年製作の映画)

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ビジュアルに関しては無論のこと最高なのだが、ストーリーのシンプルながら御伽噺や玩具箱のような脈絡の無さがどうも合致しない。ウェスアンダーソンを好きになれない所以も同じなんだと思う。哲学者のオットーヴァ>>続きを読む

ウィンナー・ワルツ/ウィーンからのワルツ(1934年製作の映画)

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サスペンスではないヒッチコックとはいえ明らかに隠れた名作の部類なのでは。誰もが一度は聴いたことあるワルツ(美しく青きドナウ)なだけあって演奏された曲の良さに思わず踊り出してしまう紳士淑女の光景は充足感>>続きを読む

第十七番(1932年製作の映画)

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冒頭から陰影のシルエットがバキバキでありながらコメディリリーフの存在がサスペンス一辺倒に偏らせず後半のアクションからオチに掛けても程良い緩衝材として振り幅を効かす。暗闇の狭い屋敷の中でも落下運動などを>>続きを読む

メリー(1931年製作の映画)

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ガスヴァンサントがリメイクした『サイコ』をオリジナルと比較して雲泥の差を感じるように、今作は『殺人!』のセルフリメイクであり構図やカットが概ね一緒ながら尺はそこそこ短くなっているという点から比較するよ>>続きを読む

心と体と(2017年製作の映画)

4.0

失感情症?的なヒロインに『ニノチカ』を想起してしまい、そのギャップの類似性から圧倒的に好きなタイプなことが判明して歓喜。また、本質はラブストーリーかもしれないが食肉処理場を使った動物や流血であること、>>続きを読む

スキン・ゲーム(1931年製作の映画)

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競売シーンでカットを割らずに素早くパンするカメラワークや鼻を擤む回数で合図する演出は既に工夫の片鱗が見えて良かったのだが、基本的には会話で進む展開なので微妙。

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