露骨さんの映画レビュー・感想・評価

露骨

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レオノールの脳内ヒプナゴジア(半覚醒)(2022年製作の映画)

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『エブリシングエブリウェアオールアットワンス』とまでは言わないが、おばちゃんが荒唐無稽に無双して脳内麻薬ドバドバ系かと勝手に想像してハードルを上げてしまったので軽く肩透かし。台詞ではなく撮影のメタ的な>>続きを読む

どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

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誤解を恐れずに言うと、非常に精神的不衛生で厭世に拍車が掛かり現実感消失症に引っ張られそうな感じがした。姉の統合失調症だけなら未だしも親の認知症や肺癌や脳梗塞など人生に於いて絶対的と言える対策の仕様がな>>続きを読む

ギャング・オブ・ニューヨーク(2001年製作の映画)

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想像以上でも以下でもない復讐劇と十九世紀のニューヨーク史。ただでさえコスチューム劇が苦手なので垂れ流し状態。スコセッシ作品は興味が有ろうが無かろうが劇場鑑賞に限る。

カリートの道(1993年製作の映画)

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ラストの追走劇からの銃撃戦が見所であり、エスカレーターや電車のアクションが移動装置としての役割を余すことなく作用していて見入る。一々「いたぞ、あそこだ!」の台詞や部下に裏切られて「悪く思うな、これも出>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

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カメラで撮影することと銃で射撃することが同じ「shoot」であるように構え方や備え方が同列として扱われている。ラストで庇って撃たれたキルスティンダンストを連写するケイリースピーニーはジャーナリズムに魂>>続きを読む

虚栄のかがり火(1990年製作の映画)

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トムハンクスの転落劇で人種問題や格差社会を取り組みながら題材も無難なのに壊滅的につまらない。トムハンクスが黒人に絡まれるシーンで控えめにドリーズーム(めまいショット)するの笑った。

カジュアリティーズ(1989年製作の映画)

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電車内の居眠りに蘇るベトナム戦争の悪無。ベトナム女性を拉致して強姦して射殺するという非人道的な行為が横行された戦時下に於ける倫理観の揺らぎ。女性が正欲処理として扱われた根底には同調圧力による人種差別や>>続きを読む

アンタッチャブル(1987年製作の映画)

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アルカポネを演じることに尽きるのだろうが、デニーロは禿げて太った役作りの割に自身が満足のいく恐怖を体現することが出来ただろうか。その点、アンディガルシアは決して多くない出演シーンの全てが印象的に映って>>続きを読む

ボディ・ダブル(1984年製作の映画)

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また『裏窓』『サイコ』『ダイヤルMを廻せ!』、更には「舞台恐怖症」という台詞を入れ込むヒッチコック狂。『ノーカントリー』のハビエルバルデム的な様相且つ「あんまそれ武器にする奴おらんねん」なグレッグヘン>>続きを読む

殺しのドレス(1980年製作の映画)

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シャワーシーンとヒロインの転換や真犯人の解離性同一障害を筆頭に『サイコ』を踏襲しつつ、『ファミリープロット』や『裏窓』のオマージュで相変わらずヒッチコックを引用。剃刀と流血の感じからしてジャッロ的でも>>続きを読む

キャリー(1976年製作の映画)

3.0

『サイコ』のオマージュとサンプリング以外にも視線誘導なんか『暗殺者の家』だろうし万華鏡のカットも『バルカン超特急』(他作品でもやっているかも)を想起。何なら観る人によってはヒッチコック以外にも様々な小>>続きを読む

ロバート・デ・ニーロの ブルーマンハッタン/BLUE MANHATTAN I・哀愁の摩天楼(1970年製作の映画)

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顕著な『裏窓』からのヌーヴェルヴァーグ的な脈絡。初々しくも既に片鱗を見せるデニーロアプローチ。

御婚礼/ザ・ウェディング・パーティー(1969年製作の映画)

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編集遊びが豊富な中でジャンプカットの使い方が現代的。終盤は最早チャップリン。

イノセンツ(2021年製作の映画)

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強く握っていたガラスの破片の痛みで幻術が解かれるシーンは良かったが、それ以外は序章に過ぎない展開といったような感じ。足元の砂利が揺れ動いたりブランコの鉄が凹んだりするのは『童夢』とは言わないが日本の漫>>続きを読む

愛のメモリー(1976年製作の映画)

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『めまい』発、『オールドボーイ』着のような印象で面白さが約束されているようなものなのに微妙。白紙の札束とアタッシュケースの手錠に多少の違和感。

ドミノ 復讐の咆哮(2019年製作の映画)

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所謂デパルマ節というのが何なのかは知らないが、御都合主義は御愛嬌なのだと説得させられるように照明の色使いが極端に良い。冒頭の『めまい』オマージュが顕著だと思ったらヒッチコキアンなのね。

セレブリティ(1998年製作の映画)

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何だかウディアレンっていうだけで馬鹿馬鹿しい内容に嫌悪感さえ覚えるようになってしまった。特別に嫌いというわけでもないのにこの拒否反応はアレルギーに近い。

ハードエイト(1996年製作の映画)

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冒頭から手際良く会話を進めて左右対称なショットでカットを割り、カジノで淡々とルーティンを教示する「二年前」のシークエンスに惹起される。何処となくシュレイダー要素を感じるのは『カードカウンター』との類似>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

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硬派で格調高い系かと思っていたので後半の意外な展開に若干の驚きと肩透かしを受けつつ、PTAの凝り固まった気難しさや脈絡の不透明を感じれない今作には付加価値を見出せない。サプライズを奇襲と変換するダニエ>>続きを読む

冬時間のパリ(2018年製作の映画)

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文芸的変遷の論理に介入する情事が淡白な均衡を保っていて如何にも余裕のある大人のフランス映画で良いが、メタ的な台詞が多少諄く感じる部分も。自宅だろうが旅行先だろうが書籍は紙媒体に限る。

平原の待伏せ(1953年製作の映画)

3.0

ジョンフォードに引けを取らない幌馬車のロングショットと疾走を捉えたフォローショット。わざわざ馬が数匹いる中で乱闘したり結構な勢いで落馬して滝の寸前で殴り合ったりと簡潔なアクションに留まらない気概を感じ>>続きを読む

危険な場所で(1951年製作の映画)

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確かに後半から終盤に掛けての展開や構図が『クラウド』的な既視感。暗闇(黒)→雪景色(白)と画面の印象が前半と後半でガラリと変化。やはり手のクローズアップを丁寧に撮るシーンは印象深くなる。

ドノバン珊瑚礁(1963年製作の映画)

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最早アクション過多なギャグ漫画のように豪快なプロレスが繰り広げられる多幸感。椅子や酒瓶が投げられる他に人間も殴られたり飛び込んだりと画面が賑やかで贅沢。最後にエリザベスアレンが振動によって車の荷台から>>続きを読む

ミッション(1986年製作の映画)

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原住民が出て来る作品に対して思う「撮影が大変そうだなー」という感想しかないほど、それ以外の要素にはハマれず。

ボーイズ・ライフ(1993年製作の映画)

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暴力が罷り通る家父長制にて支配からの脱却を図るディカプリオ。その選択肢として大学への進学を手段とすることが現在と未来を切り開く最適解なのだと理解している方向性が良い。モノローグでも逃げて抜け出すことの>>続きを読む

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで(2008年製作の映画)

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家庭内の夫婦喧嘩に於いて子供の存在が二人の口論を阻害したり悪影響ということで下火になったりすることはなく、家を飛び出して環境が外の森に変わっても調子は同じ状態。マイケルシャノンが第三者として忌憚のない>>続きを読む

バートン・フィンク(1991年製作の映画)

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奥行きのある廊下の縦構図やロビーの差し込む光、ドア枠や窓枠のフレーム内フレームなど要所要所のショットに目を引くと思いつつ、細部に至る記号的な数字や一挙一動に何かしらの意味があるのかとネットで調べたら徹>>続きを読む

狼たちの午後(1975年製作の映画)

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無計画なりに死人を出さず国外脱出まで駒を進める籠城劇はストックホルム症候群のような関係性を築きつつ、ジョンカザールの額を撃ち抜いた銃声と共に現実へと引き戻される。同性愛の主張や人権を盾にせず、飽くまで>>続きを読む

オーファンズ・ブルース(2018年製作の映画)

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あまりピンと来ず。リスペクトはさて置き、諸作品の影響や既視感を覚える。『裸足で鳴らしてみせろ』でも顕著だった異国を呼び起こすロケーションは感心。

レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)

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マイケルマン版より分かりやすく噛み砕かれていることで商業的かつ過保護な語り口が作品本来の悍ましさを削いでいる。特に、フランシスダラハイドの人物描写が顕著であり人間味を含ませ過ぎ。トムヌーナンが秀逸だっ>>続きを読む

レッド・ドラゴン レクター博士の沈黙/刑事グラハム 凍りついた欲望(1986年製作の映画)

3.0

夜や夕闇に対する紫煙、雨、ガラス、街灯などのアプローチが抜群で恍惚。レクター博士を前座として諸共しないフランシスダラハイドの美醜が沼。誰がパンスト(盲目?)を被った状態の人間を神格化のように釘付けにす>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

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ヴィランの中にも等身大な背景や知名度の低さっていうのが切実に存在していて勝手に切なくなる。悪は悪らしく傍若無人の極悪非道であって欲しい。全員がアメコミにて実在するキャラなのかは知らないが揃いも揃ってル>>続きを読む

裸足で鳴らしてみせろ(2021年製作の映画)

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『不気味なものの肌に触れる』的なカットからの全く同じことをやっていた気がする。「俺は触れないものは信じない」と言っていた佐々木詩音が諏訪珠理の背中を殴って荒い肉体接触でクィアとホモソの狭間を彷徨するフ>>続きを読む

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

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ペドフィリアの末路をクリーチャーモデラー(ゲーム制作会社)と少年が描いたマンティコア(フリアン)で直結させて脊髄損傷(胴体との断絶)にて終幕する皮肉な寓話。そもそも思っていたのと違ったし、カットが長い>>続きを読む

セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

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前提としてバヤルツェツェグが忽那汐里を幼くした感じでヒロインの成長譚として逸材。しかし、これをモンゴル映画(一括りではないが)の長所と捉えるか要改善の短所と捉えるかが難しく、冗長的な時間感覚をもう少し>>続きを読む

スパイ・レジェンド(2014年製作の映画)

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この手のスパイアクション系として凡庸すぎて特筆すべき点がない。知る人ぞ知る元凄腕のスパイだから愛する女を殺されたとて『ジョンウィック』的な「実は強い」キャラにもなり切れないし。